島津製作所は3月7日、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)「ICPMS-2030」を発売したと発表した。

同製品では、新開発のコリジョンセルと内部機構の最適化によってスペクトル干渉を抑えるとともに、原子イオンの透過効率を向上。日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)「医薬品の元素不純物ガイドライン(Q3D)」の要求を満たすpptレベルの高感度を実現している。

また従来、ICP-MSの分析では同重体イオンや酸化物イオンなどを把握して測定対象元素の最適質量数を選択し、さらに検量線試料濃度を決定するなどのプロセスに多くの時間とスキルが必要だったが、「開発アシスタント」機能により、分析対象元素を選択するだけで適切な分析条件を自動設定できるようになった。同じ条件でルーチン分析を行う場合も、「診断アシスタント」機能が自動でスペクトル干渉の有無など分析結果の妥当性を評価する。このほか、FDA 21 CFR Part11対応のLabSolutionsソフトウェアによって信頼性の高い試験結果を管理することが可能。

価格は2010万円(税別)。発売から1年間で国内外90台の販売を計画している。

誘導結合プラズマ質量分析計「ICPMS-2030」