ということで、いよいよSkyline Fleetの紹介である。一見するとセンサ類が非常に目立たなくなっているのが判る(Photo14)。
Photo14:ルーフの上のセンサがなくなったのが最大の特徴である。「いいのか?」とHarbrickのスタッフに確認したところ、両側のミラーに埋め込んだLiDARで車の半分ずつをカバーできるので、トータルでは問題ないとのこと |
もっともこれはうまく隠しているだけであって、実際にはむしろセンサのオバケと化している(Photo15~20)。
特徴的なのは、このSensor Fusionを処理するシステムである。荷物室にはR-Car H2ベースの処理ユニットが3つ搭載されている(Photo21、22)が、実は処理そのものはほぼ2つで済むそうで、1つは事実上のバックアップ用となっているそうだ。
Photo21:真面目に設置すれば体積的には半分で収まりそうだが、デモということで見やすさを優先した模様 |
Photo22:こちらは展示会場に置かれていた車両のもの。明らかにSensor Fusionの処理には不要なものが大量に載っている気がするのだが、開発ボードをそのまま利用しているから仕方ないだろう |
さて、車内だがPolySyncの表示はこんな具合(Photo23)に、コンソールパネルに埋め込まれたタブレットで表示されていた。バードビューの表示は、いまとなってはそう珍しくない(Photo24)が、運転状態における動作は興味深かった(Photo25~27)。完全な自動運転をデモするにはまず行政の認可が必要になるので、今回はあくまでもSensor Fusionを処理してその結果を表示するまでのデモであったが、走行中の車両や歩行者などの認識、それと危険回避などをきちんと行える(駐車場の中でゆっくりと駐車車両に近づいてゆくと衝突の警告が正確に行われた)ことなどが示された。
Photo23:後部座席にもこの映像はミラーリングされていたのだが、あいにく太陽の加減で撮影が難しかったので、運転席の映像を主に撮影した |
Photo24:右のドアが開いていた関係で、車の右の映像だけ変な事に。もちろんこれはR-Car T2ベース |
ちなみに、HarbrickによるSkyline FleetのSensor Fusionの紹介がこちら(Photo28~35)。PolySyncはあくまで、このSensor Fusionを組み合わせて自動運転に必要な情報を上位アプリケーションに提供するためのプラットフォームでしかないが、逆にそこから上は自動車メーカーあるいはTier 1の差別化の領域でもあり、ルネサスと共同でそのための現実的なパッケージを迅速かつ容易に提供できるという点が今回の提携の肝であることを明確に示したデモであった。
Photo28:LiDARとレーダーは大体対になって実装されているのが判る。また運転席の下にもECUが格納されているようだ |
Photo29:センサ構成。Fusion \#3は走行中はフロントバンパーのESRの処理と、ドアミラー埋め込みLiDARの片方だけを処理している模様 |
Photo30:前方監視レーダーはDelphiの電子スキャンレーダーを利用 |
Photo31:側方監視レーダーも同じく。カバー範囲がESRと違うのが判る |
Photo32:あちこちに埋め込まれているLiDARはIBEO LUX |
Photo33:リアバンパー、それとリアミラーの影にはPOINT GREYの監視カメラが設置されている |
Photo34:車両位置/姿勢の検知にはXSENSのGPS/INS内蔵3軸センサが利用される |
Photo35:その他の色々。何故か言及されていないが、ドアミラーにはVelodyneのVLP-16 LiDARが埋め込まれている |