近畿大学は9月24日、キハダマグロを卵から幼魚まで飼育することに成功したと発表した。
同成果は同大学水産研究所の澤田好史 教授らの研究グループによるもの。同大学はこれまでパナマ共和国でキハダマグロの養殖を研究していたが、2013年4月から2014年3月にかけて親魚の死亡が続き産卵が停止したことで、新たな仔稚魚の飼育が難しい状況になっていた。
これに対し、同研究グループはクロマグロの研究で培った知見などを活かし、エサや生簀などに工夫することによって困難を克服。6月から7月にかけて人工孵化させ、陸上水槽で育てたキハダの稚魚を海面生簀で幼魚まで飼育することに成功した。生簀で成長し幼魚となって再び陸上水槽に移されたキハダマグロは、今後、2年後の産卵を目指して引き続き飼育されることになる。
同研究グループは今回の成果について「完全養殖へ向けた大きな前進であり、より実用的な稚魚サイズ(9-13cm)で実施したことに意義があります。」とコメントしている。