東京都・六本木の森アーツセンターギャラリーは、国立カイロ博物館の収蔵品から、古代エジプトの世界やピラミッドの謎に迫る「黄金のファラオと大ピラミッド展」を開催する。会期は10月16日~2016年1月3日(11月24日休館)。開館時間は10:00~20:00。観覧料は一般1,800円、高・大学生1,500円、小・中学生800円。
同展は、「ファラオとピラミッド」をテーマにしており、18万点のエジプトコレクションを誇る国立カイロ博物館から、黄金のマスクやクフ王の銘が入った彫像など、監修者の吉村作治教授が選び抜いた選りすぐりの100点あまりを公開するもの。古代ギリシア時代から伝わる「世界七不思議」の中でも、第1番の不思議として知られ、今でも残っている唯一のものである巨大なピラミッド群は、およそ4500年前、古代エジプト「古王国(紀元前2586年~2185)」時代、クフ王、カフラー王、メンカウラー王の3代のファラオたちが建造したとされ、世界遺産に登録されている。
同展では、ツタンカーメン王の黄金のマスクと並ぶ、3大黄金マスクの一つである「アメンエムオペト王の黄金のマスク」が21年振りに来日。同時に、現在エジプトでしか見ることができないツタンカーメン王の黄金のマスクの、展示ケースから外した状態を特別に撮影できたということで、貴重な映像を併設の4K映像シアターで見ることができる。また、ミイラを納めていた棺の中でも保存状態が良く、美しい「彩色木棺」も公開される。
「クヌムト王女の襟飾り」中王国時代 第12王朝(前1911~1877年頃) 国立カイロ博物館蔵 |
「アメンエムペルムウトの彩色木棺(蓋)、ミイラ・カバー、彩色木棺(本体)」第3中間期 第21王朝(前1069~945年) 国立カイロ博物館蔵 |
「ロイとマヤのピラミディオン」新王国時代 第18王朝末(前1336~1295年) 国立カイロ博物館蔵 |
なお、会場では吉村教授が発掘調査中の「太陽の船」の最新調査結果が随時公開される。クフ王の大ピラミッド傍らで1954年に発見された「太陽の船」は、死せる王が来世で太陽神ラーと共に天空を駆けるための船とされ、吉村氏は1987年、対となる「第2の太陽の船」を発見。発掘・修復・復原プロジェクトを行っており、現在、世界的に注目を集めている大型木造船ということだ。