CYBERDYNEとPEZY Computingは8月24日、CYBERDYNEのロボットスーツHAL向けに適用可能な小脳処理機能と学習型汎用AI(人工知能)の共同開発を目的とした業務提携を前提とする資本提携を行ったと発表した。

発表によれば、CYBERDYNEは7月10日にPEZY Computingに対し出資を行っており、今後HAL向けの小脳処理機能を含む信号処理技術および小脳機能を実装したプロセッサの共同開発を行っていく。

PEZY Computingが2012年に開発したMIMD型では世界最大規模となる1024コアのメニーコアプロセッサ「PEZY-SC」は、現在の並列処理コンピューティングの主流であるSIMD型と比較して、同時に多種多様な演算処理を多並列に行え、柔軟な処理が可能となることから、運動と姿勢制御に大きな役割を果たす高性能な小脳機能の高度な実現が期待されるほか、高い省電力性により、バッテリー駆動を前提とするロボットスーツへの適用が見込まれている。

HALには現時点でも複雑な信号処理技術が導入されているが、人間の小脳と同等以上の信号処理性能、反応速度および適応能力を有した小脳機能が実装されることで、利用者の身体機能や外乱に高速に適応する能力が向上し、より高度な使用と安全な運用が可能になると期待されている。これにより、HALを装着した利用者の小脳機能や医師の指示に従う知能を備えた学習型HALが実現できたり、職場や生活環境で安全かつ柔軟に機能する学習型汎用AIを備えたさまざまなロボットの実現につながっていくとしている。

HAL福祉用(下肢タイプ)(CYBERDYNEのホームページより)