米Syanpticsは7月13日(米国時間)、第2世代TDDI(Touch and Display Driver Integration)コントローラと、4種類のDDIC(Display Driver Integrated Circuit)をそれぞれ発表したが、これに関する説明会を7月15日に都内で開催した(Photo01)。
元々同社はタッチセンサやタッチパッド、ディスプレイドライバに加え最近はバイオメトリクス関連の製品をリリースしており(Photo02)、2014年10月にはRSP(ルネサススピードドライバ)を買収したりしている事でも有名である。こうした経緯もあってか、冒頭でまずマーケットと日本の動向が説明された(Photo03~04)。ちなみに日本は3月末に新しいデザインセンターを中野に開設しており、ここでは旧RSPの人員の97%をそのままのポジションの形で再雇用していることが説明されている。日本の従業員は400名を超えており、うちデザインセンターには350名超が在籍する(他に従来からあった営業拠点などが引き続き残る)との事だ。
さて、話は同社の主力製品というか、今回の本題であるディスプレイ/タッチセンサの話である。同社はDiscrete、SLOC/On-Cell、TDDIという大別して3種類の製品を引き続きリリースしている(Photo05)。今回の発表の1つ目は、Discrete用のDDICである。これはWVGAからUHDまで4種類の解像度に向けてそれぞれの用意される形になる(Photo06)。これは急速にスマートフォンのディスプレイ解像度が向上している事に対応したもので、これに加えてSuper Scalingによる消費電力削減(Photo07)やローカルエリアACO(Photo08)などの色補正機能などを追加したとしている。
Photo05:SLOCはSingle Layer On-Cellの略。液晶の上にタッチ層を積層するのがSLOC、内部に組み込むのがIn-Cellである |
Photo06:今回発表になったのはHD用のR61350、FHD用のR63350、WQHD用のR63450B、そしてUHD用のR63424となる |
Photo07:これは画像データを削減しながら、スケーリングにより高解像度でも綺麗な映像を実現できるため、結果として画像を扱う量が減り、その分消費電力差苦言が可能になるというもの |
Photo08:説明によれば、事実上ピクセル単位での色補正が可能であり、実質的にRGB各10bit相当の画質を出力できるので、10億色という計算だそうだ |
2つ目はSLOCあるいはIn-Cellに関する動向の話である。SLOC/In-Cellはパネルのコストが上がるためにあまり普及が進んでいないが、その一方でメリットも多い(Photo09)。特に同社のTDsyncはDisplay DriverとTouch Controllerが同期を取る事で、Display出力の駆動ノイズをTouch Controllerの側に伝える事なくセンシングが可能というものだ(Photo10)。
3つ目がプレスリリースの1つ目にあたる、第2世代のTDDIである「ClearPad 4300」である。要するにSLOC/In-Cell向け製品はDisplay DriverとTouch Controllerが別々に存在していたが、これを1チップ化したものとなる。どのあたりが第2世代か? というと、Touch Controllerは従来から同社が提供してきたものだが、Display Driverは旧RSPのものを採用したということだそうだ(Photo12)。
ちなみに今後の展開であるが、同社は低価格向けの2本指と、ハイエンド向けは引き続きDiscreteが残り、メインストリーム向けにDDIC/TDDIが使われてゆくと予想しており、ここに向けて広く製品展開を進めてゆくという話であった。ちなみに会場ではこのClearPad 4300のデモの実演も行われた(Photo14)。