北海道大学と富士通は6月30日、社会が求めるグローバルな活動や革新的な考え方ができる人材の育成を目的とし、ICTを活用して個々の学生に最適な教材や指導方法を分析する共同研究を2015年4月から2016年3月まで実施すると発表した。

今回、北海道大学におけるオープンエデュケーションの活用実績と富士通のデータ分析技術の強みを生かし、学生の自ら学ぶ姿勢を強化するため、学生の生活にまで踏み込んだデータから個々の学生に最適な学びを分析し、講義と学習指導、およびICTを活用した学生への教材提供に適用する共同研究を行う。

北海道大学と富士通の共同研究の概要

具体的には、あらかじめ情報提供に同意した同大学生を対象として、2015年度前期の講義に合わせ、「学習に関するデータ(予習時間、講義の理解度、学習スタイルなど)」「学生の基本属性データ(入学動機、課外活動、キャリア観など)」「学生の生活に関するデータ(睡眠、食事、体調など)」を収集する。

分析を行う際は、北海道に関するオープンデータ(天候、イベント・祭り、観光客の増減など)も活用する。

2015年8・9月に、ICTを活用して収集したデータの関連性やパターンを可視化し、個々の学生の能力・行動パターン・心理状態、学生の学びに影響する要素などを分析し、インターネットを利用して学習可能な学生1人ひとりに最適な教材の提供と、学習指導を行う。

2015年10月から2016年3月にかけては、分析を行うツールを開発してツールによる分析結果を2015年度後期の北海道大学の講義や学習指導に適用し、学習の効率・理解度・定着度などからその効果を検証する。