兵庫県立人と自然の博物館は6月29日、同県丹波市山南町の篠山層群から、5種類の恐竜卵殻化石を発見し、そのうち1種類が新卵属・新卵種であることがわかったと発表した。
同成果はカナダ・カルガリー大学の田中康平氏、Zelenitsky, D. K. 准教授、DeBuhr, C. L. 技師、同博物館の三枝春生 主任研究員、池田忠広 研究員、カナダ・王立ティレル古生物博物館のTherrien, F. 研究員らによるもので、国際学術誌「Cretaceous Research」で紹介される。また、論文の出版に合わせて同博物館では7月21日~8月31日まで臨時展示を行う予定。
同研究グループが発見した5種類の恐竜卵殻化石には、小型の獣脚類およびハドロサウルス類恐竜の卵殻が含まれており、そのうちの1種類を新卵属・新卵種の「ニッポノウーリサス・ラモーサス(Nipponoolithus ramosus)」と命名。Nipponは「日本」、Oolithusは「卵の石」という意味のギリシャ語、Ramosusはラテン語で「枝分かれした」の意味で、卵殻外表面の特徴的な装飾模様に由来しているという。
同研究グループは、クリーニングの完了していない部分のクリーニングを完了させ、近い将来それらに関する追加論文を出版するとしている。