旭硝子財団は18日、今年のブループラネット賞(地球環境国際賞)受賞者が、パーサ・ダスグプタ英ケンブリッジ大学経済学部フランク・ラムゼイ名誉教授とジェフリー・D・サックス米コロンビア大学地球研究所所長・教授に決まった、と発表した。
表彰式典は10月14日に東京で行われ、両教授にはそれぞれ賞状・トロフィーと賞金5,000万円が贈られる。
ダスグプタ教授は、世代間の公平性と持続可能な開発の二つの概念が同等であることを示し、福祉経済学と環境経済学を統合した。GDP(国内総生産)や現在広く用いられている場当たり的な幸福の指標ではなく、包括的な国の富(ストック)で経済発展を評価すべきだ、という主張で知られる。実際にインドなど数カ国でダスグプタ教授の研究を基にした会計システムが導入され、成果を挙げている。
サックス教授は、地理的、歴史的状況を考慮して経済的課題を評価し、適切な経済・環境政策を案出する「臨床経済学」と呼ばれる独自の考え方で知られる。長期的かつ深い幸福を目的とする信頼、誠実さ、他者への思いやりを重視する「マインドフルネス」という概念をもとにした社会を提唱している。
実践者としての活動歴も長く、国家元首や政府の経済戦略顧問を務めた国は南・北米、欧州、アジア、アフリカ、中東の数十に上る。経済発展と貧困との戦いのエキスパートとして知られており、教授の指導で経済危機を乗り越え、持続可能な発展を実現した国も多い。
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