メンター・グラフィックスは5月7日、医療、フィットネス、セキュリティ、安全、その他ウェアラブル端末の次世代高性能アプリケーション向けに最適化された「Mentor Embedded NucleusリアルタイムOS(RTOS)」を発表した。
同RTOSは、スマートデバイス間接続やゲートウェイ接続を実現するほか、クラウドにも直接接続することを可能とし、シングルコアとマルチコアSoCそれぞれのサイズ、性能、電力効率に合わせて最適化されており、ウェアラブル端末のバッテリ寿命を最大化するための電力管理とプロセッサライフサイクルのフレームワークを提供する。
また、「virtIO」、「remoteproc」、「rpmsg」を新規実装した完全にヘテロジニアスなマルチコアフレームワークを提供。このフレームワークを用いることで、ウェアラブル端末のIPC、リソース共有、プロセッサライフサイクルの管理など、NucleusやLinux、その他のベアメタルベースのアプリケーションを単一SoC上にシームレスに統合することを可能とするほか、SoC上のコアのブートアップとシャットダウンを個別に制御することで、使用状況に応じてウェアラブルやIoTアプリケーションの演算性能を最大化したり、消費電力を最小化したりすることを可能とした。
さらに、新規開発の電力管理フレームワークにより、シンプルで抽象度の高いAPI呼び出しを介して、ペリフェラルやウェアラブルシステム全体のパワーステートを管理。パワーステート変更の際には、電力管理フレームワークが、プロセッサモード、動作周波数、ペリフェラルの動作を同時に制御することで、消費電力の削減を実現する。
このほか、最適化されたQtフレームワークを用いたGUI開発も可能だという。