宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月27日、2015年3月3日~21日にかけて実施した小惑星探査機「はやぶさ2」の第1回イオンエンジン連続運転を実施、安定して深宇宙を航行中であること、ならびに6月に第2回イオンエンジン連続運転の実施、12月3日に地球スイングバイの実施をそれぞれ計画していることを明らかにした。

はやぶさ2のイオンエンジン連続運転は、地球スイングバイに向けた軌道制御運転として行われるもので、2回に分けて合計約600時間が実施される計画。使用するイオンエンジンはAとDで、第1回目となる今回は409時間分の連続運転が行われたという。

その結果、地球最接近距離が打ち上げ直後の軌道決定地314万kmから67万kmへ近づけることに成功したとするほか、6月上旬に地球スイングバイ時の最接近距離を1万km以下にすることを目指した第2回連続運転が実施される予定とする。

なおJAXAでは、4月22日および24日にはESA(欧州宇宙機関)のMalargue局、DLR(ドイツ航空宇宙センター)のWeilheim局の2地上局の使用を想定した運用(通常は日本の臼田、クリティカル運用では米国航空宇宙局(NASA)のDeep Space Network(DSN)からも運用を計画)を実施したほか、今後8~9月にイオンエンジンによる軌道微調整期間、10月初旬以降に化学推進系による精密誘導の開始をそれぞれ予定しているという。

「はやぶさ2」の第1回イオンエンジン連続運転後の運用状況と軌道