MathWorksは3月12日、MATLABおよびSimulinkにさまざまな機能を追加した「Release 2015a(R2015a)」を発表した。
R2015aには、アンテナ素子とアンテナアレイを設計・解析・可視化するためのAntenna Toolbox、ロボット工学アプリケーション向けの設計およびテストが可能なRobotics System Toolbox、テストハーネスの作製や複雑なテストシーケンスの作成およびシミュレーションに基づくテストの管理を行うためのSimulink Test、FPGAおよびASIC向けの画像処理・ビデオ・コンピュータービジョンのシステム設計用のVision HDL Toolboxという4つの新製品が含まれる。
その他の主なアップデートは以下のとおり:
MATLABプロダクトファミリ
MATLAB:自分で開発したツールボックス用のドキュメンテーションをMATLABヘルプブラウザーに統合することが可能に。データ集約型アプリケーション用にmapreduceアルゴリズムをMATLAB Distributed Computing Serverに拡張。Arduino Leonardoおよびその他のArduino ボードのサポート。
MATLAB Compiler:Microsoft Excelデスクトップアプリケーション用のアドインを作成する機能
MATLAB Compiler SDK:C/C++、Java、.NETの共有ライブラリやMATLAB Production Server向けの開発フレームワークを作成するためのMATLAB Compilerの拡張
Statistics and Machine Learning Toolbox:分類学習器アプリの追加により、マウス操作で、教師あり機械学習を使用したモデル学習とデータ分類
Partial Differential Equation Toolbox:ジオメトリインポート、メッシュ、PDE解法、結果表示などが可能な3次元有限要素解析
Simulinkプロダクトファミリ
Simulink:シミュレーションの調整、テスト、可視化に使用するキャンバス内のダイヤル、ゲージ、スコープ。MATLAB FunctionブロックおよびStateflowチャート向けのJust-In-Time (JIT)コンパイルを使用した迅速なモデル更新。Simulinkのモデルやアルゴリズムを実行するアプリを作成するための Apple iOSデバイス向けのハードウェアサポートパッケージ。GitHubまたは電子メールを使用するか、パッケージ化されたカスタムツールボックスとしてプロジェクトを共有
SimDriveline:Gearsコンポーネントライブラリのすべてのブロックに対する熱のバリアント
信号処理・通信
Signal Processing Toolbox:不均一なサンプルデータの信号解析、分かりやすくなったインターフェースと例、信号測定の強化
Communications System Toolbox:ZynqベースSDRの接続とターゲット、無線受信機用の新しい同期方法、エンドツーエンドのQAMリンクの例
DSP System Toolbox:低遅延オーディオデバイスの I/O、マルチレートおよび可変フィルタータイプのサポート、ストリーミング範囲の拡張、ARM Cortex-A向けに最適化されたEmbedded Coderのアルゴリズムライブラリ
Phased Array System Toolbox:複数のレーダーターゲットのモデル化と推定の簡略化、配列のキャリブレーション、先進運転支援システム(ADAS)の例
LTE System Toolbox:LTE Release 11の多地点協調(CoMP)のシミュレーション、UMTSの波形生成
コード生成
MATLAB Coder:MATLAB Coder アプリにより、エディターの統合とワークフローの簡略化、論理インデックスを用いたMATLABコードからの効率的なCコード生成
HDL Coder: 合成を実行せずにクリティカルパスを推定
Simulink Desktop Real-Time:Real-Time Windows Targetの機能を搭載、Mac OS XおよびThunderboltのインターフェイスのサポートを追加
検証と妥当性確認
Simulink Verification and Validation:CコードのS-FunctionおよびMATLABコードのSystem objectのカバレッジ測定
Simulink Design Verifier:デバッグや解析のために複雑なモデルを簡略化および分割するモデルスライス機能
なお、R2015aは入手可能な状態になっているという。