富士フイルムは2月24日、抗インフルエンザ薬「アビガン錠200mg(一般名:ファビピラビル)」がギニアで実施されていたエボラ出血熱に対する臨床試験において、その有効性が示唆される中間解析結果が得られたと発表した。

フランス国立保健衛生研究機構は2014年12月17日よりギニアの4カ所でアビガン錠の臨床試験を実施しており、今回、最初の80例の中間解析結果を公表した。

臨床試験では、治療開始時のエボラウイルス量が中程度から高い患者群(血液1ml中のウイルスコピー数が108以下)で、試験開始3カ月間の同レベルの基礎療法(栄養分や水分を補給する治療法)と比べて死亡率が30%から15%へと半減した。

一方、エボラウイルスが非常に高い患者群(血液1ml中のウイルスコピー数が108以上)ではアビガン錠投与による死亡率減少は見られなかった。

また、同試験ではインフルエンザ治療に比べて高容量で10日間投薬したが、有害な事象は確認されなかったという。

今回、一部のエボラ出血熱患者に対してアビガン錠が有効性を示したことを踏まえ、富士フイルムグループは「引き続きエボラ出血熱の感染終息に貢献するとともに、治療法確立に向けて、フランス政府やギニア政府、日本の関連当局に全面協力していく」とコメントしている。