東芝は2月5日、SK Hynixと次世代半導体露光技術であるナノインプリントリソグラフィ(NIL)の開発を加速させるため、2014年12月に基本合意した共同開発について、正式契約を締結したと発表した。

NILは、メモリのさらなる微細化を進める上で欠かせない次世代半導体露光装置の候補の1つである。現在、一般的に使用されているフォトリソグラフィ技術は回路パターンを描いたフォトマスクと呼ばれる型の上からレーザ光を照射し、シリコンウェハに転写するのに対して、NILは回路パターンが掘り込まれた型をシリコンウェハに直接押し当てて転写するため、より微細な加工の実現が期待されている。

東芝は、これまで半導体製造装置・材料メーカー各社と共同でNILの開発を進めてきた。独自の半導体製造プロセス技術と半導体製造装置・材料メーカー各社の持つ技術を融合させて、装置・プロセスの両面からNILの実用化を目指してきた。そして今回、東芝が進めるNILのプロセス開発をSK Hynixと共同で行うことにより、開発コストを削減するとともに、実用化に向けた技術開発を一層加速させていくという。東芝は、今後もNILやEUV露光技術など次世代露光技術の開発を積極的に進めるとともに、メモリ製品の微細化を着実に進展させることで、メモリ事業をさらに強化していくとコメントしている。

なお、今年4月から、東芝の横浜事業所において、両社の技術者がNILプロセスの要素技術の共同開発を開始し、2017年の実用化を目指すとしている。