Intelは11月17日(米国時間)、Intel Xeon Phiプロセッサを搭載した次世代HPCシステムの構築に向けたビルディングブロックを公開した。

今回発表されたのはすでに発表済みの次世代Xeon Phi「Knights Landing(開発コード名)」の次の世代となる10nmプロセスを採用した第3世代Xeon Phi「Knights Hill(開発コード名)」および、Knights Landing以降で用いられる次世代インタコネクトテクノロジー「Intel Omni-Pathファブリック」だ。

Kights Landingは2015年下期に一般出荷が予定されているが、すでに50社以上が搭載製品の提供を予定しているという。また、すでに先行して米国のロスアラモス国立研究所とサンディア国立研究所が共同開発するスーパーコンピュータ「Trinity」や、米国エネルギー省の国立エネルギー研究科学コンピューティングセンター(NERSC)のスーパーコンピュータ「Cori」などが採用しているという。

Knights LandingとKnights Hillの概要。Kights Hillについては10nmプロセスを用いること、第2世代のOmni-Pathアーキテクチャが用いられることのみが明らかにされた

また、Omni-Pathアーキテクチャは、100Gbpsの接続速度を実現可能で、InfiniBandを利用した場合と比較して中規模から大規模のクラスタでスイッチ・ファブリックの遅延を最大56%低減することを可能とする。また、スイッチ・チップを48ポート搭載しているため、現行の36ポートのInfiniBandと比較して、ポート密度とシステムの拡張性が向上するほか、必要なスイッチの数が減るため、設計の簡素化とインフラにかかるコスト削減が可能になるという。

Omni-Pathアーキテクチャの概要

さらに同社は、Omni-Pathアーキテクチャベースのソリューションの拡大に向けたエコシステムの形成へ向け、「Intel Fabric Builders Program」を開始したことも発表しているほか、機能を強化した「Intel Enterprise Edition for Lustreソフトウェア」の最新バージョン(v2.2)と「Intel Foundation Edition for Lustreソフトウェア」も併せて発表している。

「Intel Fabric Builders Program」の開始により、サードパーティがOmni-Pathに対応したソリューションを提供することが可能になった