皆既月食の一連の流れ(画像提供:葛飾区郷土と天文の博物館。撮影地;葛飾区郷土と天文の博物館、撮影者:同博物館天文ボランティア)

2014年10月8日、2011年12月10日以来となる日本での皆既月食が観測された。

前回は皆既の開始時刻が23時過ぎということもあり、時間的に、ちょっとだけ見ておこう、というような人には難しかったが、今回は18時過ぎから部分月食が始まり20時前後に1時間近く皆既月食が起こっていたので、見ることができた人も多かったと思う。

そんな皆既月食の様子はどんなものであったか、写真で振り返ってみよう。

なお、次回の日本での皆既月食は2015年4月4日の21時ころで、皆既の時間は10分程度と短いので、もう一度皆既月食を観たいと思った人はチェックをしておくと良いだろう。

2014年10月8日に観察された皆既月食の様子。撮影日はいずれも2014年10月8日で、撮影時刻は1列目左上から19時30分、19時31分、19時36分、19時36分、2列目が19時36分(低露光撮影)、19時38分、20時17分、20時20分、3列目が20時23分、20時39分、20時57分、21時05分。なお、1列目左から2枚目~4枚目、ならびに2列目左の写真では皆既中の月の右側、月1個分ほど離れたところに約6等級の明るさで光る天王星が確認できる。(画像提供:葛飾区郷土と天文の博物館。撮影地;葛飾区郷土と天文の博物館、撮影者:同博物館職員、天文ボランティア)

ちなみに今回、月は地球の本影領域の中心でなく北辺付近を通過したため、上辺が多少青みがかって見えるターコイズフリンジ(Turquoise Fringe)を観察することができた。ターコイズフリンジの色は地球大気の成層圏のオゾン層を通過した光のうち赤色吸収されるからで、詳細はNASAのWebサイトが詳しいので、興味を持った人は一読しておくとよいだろう。また、国立天文台では今回の皆既月食中の色のレポートを募集しているので実際にご覧になられた方は報告してみるとよいだろう。