パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は10月3日、ウェアラブル端末などの小型機器の電源に適した、直径3.5mm、高さ20mm、重量0.6gのピン形リチウムイオン電池「CG-320」を開発したと発表した。
同製品は、従来の円筒形リチウムイオン電池に比べ、微細な部品・部材を使用しつつも、コイン形などの小型電池で培った技術・ノウハウを生かした高精度な生産工法を新たに採用することで、円筒形の2次電池として業界最小径となる直径3.5mmを実現した。さらに、体積容量においても、単4形電池(直径10.5mm、高さ44.5mm)の約1/20以下と業界最小を実現している。小型機器の電源に適したサイズであり、メガネ型のウェアラブル端末や電子ペンなどスリム形状の機器のデザイン性向上、通信デバイスなどの小型化・設計自由度向上にも貢献するとしている。
また、直径3.5mmという細い形状ながら、従来の円筒形リチウムイオン電池と同じスパイラル電極構造(渦巻き構造)を採用することで、正極・負極の反応面積を大きくすることに成功し、高出力化を実現している。この構造の採用することで、従来の円筒形リチウムイオン電池と同等の材料を使用でき、3.75Vの高電圧に対応することが可能となり、従来の小型1次電池に比べて高い出力が求められる機器の駆動が可能となったのに加え、スマートフォンと連携可能なBluetoothなどの近距離無線通信にも対応できるようになった。さらに、充電してくり返し使える2次電池とすることで、交換電池の買い置きや頻繁な電池交換を不要にできる。
この他、外装缶には、強度に優れたステンレスを採用している。同技術により電池の形状を安定させ、膨れなどの変形に強い特性を実現し、より高い信頼性が確保できたとしている。
なお、2015年2月からの量産および出荷開始を予定している。