Mentor Graphicsは9月24日、Lumerical Solutionsの光集積回路設計・シミュレーション・解析ツール「INTERCONNECT」との統合を通じ、IC設計プラットフォームである「Pyxis」、および「Calibre」を活用した新しいシリコンフォトニクス設計メソドロジを実現したと発表した。

「NTERCONNECT」と統合されたことで、「Pyxis Schematic」のシミュレーションコックピットからフォトニクス設計とそのテストベンチの入力、過渡/周波数解析用の光学シミュレーションパラメータの設定、シミュレーションの実行、対話形式による解析結果の表示が可能となった。生産性を大幅に改善できることに加え、すでに実現している大容量波形ビューアEZwaveとの統合にも活用できる。EZwaveは本来、電気的なタイムドメインに基づいてミックスシグナル波形を表示するものだが、波形カリキュレータ、アイダイアグラムツール、Tclスクリプト作成機能を搭載しているため、光学シミュレーションに適用できるという。

また、カスタムIC設計プラットフォーム「Pyxis」の一部である「Pyxis Schematic」を補完するレイアウト設計ツールである「Pyxis Implement」は、定評ある編集機能とスケマティックドリブンレイアウト(SDL)環境を備えている。「Pyxis Implement」の放射曲線と断熱曲線だけでなくS字曲線にも対応した導波路配線機能を活用し、接続性を考慮しながら、フォトニクスPCell(パラメタライズセル)を素早く配置、組み立てた後に、「Calibre」を使用してデザインルールチェック(DRC)、LVS(Layout Versus Schematic)検証、リソグラフィシミュレーション、スマートフィル処理を実行し、設計中の光学部品が設計意図どおりに製造可能であることを確認することで、シリコンフォトニクス設計メソドロジが実現されるとしている。

さらに、「Pyxis」の設計コックピット内における光集積回路シミュレーションは、Lumericalの「INTERCONNECT」から実行される。今回、「INTERCONNECT」にネットリストのインポート/エクスポート機能が追加されたため、「Pyxis」のコックピットから直接、設計入力、シミュレーション設定、シミュレーションを実行できるようになった。「INTERCONNECT」で、時間や周波数をドメインベースとしたシミュレーションを実行した後は、その結果をEZwaveに表示して解析できる。そして、プロセスデザインキット(PDK)に基づく設計フローの場合、フォトニクス部品のシミュレーションに欠かせない主要な動作パラメータを「INTERCONNECT」コンパクトモデルとして定義する。「INTERCONNECT」コンパクトモデルは、各ファウンドリに固有のデータかファウンドリの実測データから導き出されるので、高い設計精度を確保すると同時に不要なデバイス改変も回避できる。

なお、両社は、OpSISおよびCMC/SiEPICと協力してシリコンフォトニクス設計フローを対象としたPDKを開発している。また、シリコンフォトニクス技術を牽引しているシンガポール科学技術研究庁(ASTAR)とも協業しながら、広く採用されて実績あるASTAR技術プラットフォームのための次世代PDK開発にも取り組んでいるとしている。

Mentor Graphicsは、Lumerical Solutionsの光集積回路設計・シミュレーション・解析ツール「INTERCONNECT」との統合を通じ、IC設計プラットフォームである「Pyxis」、および「Calibre」を活用した新しいシリコンフォトニクス設計メソドロジを実現したと発表した