ルネサス エレクトロニクスは8月26日、産業機器の機能安全対応時に必要なマイコンの自己診断ソフトウェアについてIEC61508認証を取得し、この自己診断ソフトウェアと、セーフティマニュアルなどのドキュメントがセットになった「RX631/RX63Nセーフティパッケージ」を発表した。
同ソリューションでは、マイコン内部機能ブロックごとのセーフティ分析を実施し、その結果をまとめたセーフティマニュアルと、CPUとRAM、フラッシュROMの自己診断ソフトウェアライブラリが提供される。CPU部分の診断率は、自己診断ソフトウェアのフォールトシミュレーション評価による検証が実施され、これにより、診断率の提示根拠が明確になり、開発の効率化に貢献する。
また、マイコン「RX631/RX63N」用の自己診断ソフトウェアライブラリは、国際的な第三者認証機関であるテュフ ラインランド インダストリー サービスから、IEC61508 SIL3のソフトウェアの認証を取得。同ソフトウェアの導入により、IEC61508規格が求めるソフトウェア開発プロセスへの適合性の確認が省略可能となる。
この他、マイコンの自己診断ソフトウェアライブラリとマイコン「RX63N」搭載評価ボード、IARシステムズ製のIEC61508認証取得済みの開発環境「IAR Embedded Workbench for RX 機能安全バージョン」をセットにした「RX631/RX63Nセーフティソリューション評価キット」を11月より発売する予定。診断ソフトウェアの性能評価や、システムの初期検討を開始することが可能となっている。
ルネサスでは、機能安全システム開発に貢献するため、産業分野で好評を博しているマイコン「RX100」シリーズの機能安全ソリューションに加え、産業向けレファレンスキットなど、さらなる産業分野向け機能安全ソリューションの充実を図っていくとしている。