Texas Instruments(TI)は8月20日、インフォテインメントやドライビング体験を向上させる、車載向けの高性能電力管理、SuperSpeed USBやロジックなどの7製品と車載インフォテインメントシステムを強化するPMIC(電源管理IC)、より快適で便利な接続体験を実現する車載向けUSB 3.0デバイス、フリーポジショニングのQi規格準拠ワイヤレスパワートランスミッタを発表した。

PMIC「TPS659039-Q1」は、Jacinto 6プロセッサ「DRA74x」向けの製品で、次世代のインフォテインメントシステムの設計において、システムレベルの消費電力を低く抑えるのに加え、競合製品に比べてアダプティブ電圧スケーリングによる温度管理機能の向上、内部回路と外部回路の同期によるEMIの低減を実現している。さらに、電源シーケンス機能により、基板面積の低減、開発期間の短縮、マイコンの追加不要など、設計のフレキシビリティを向上させる。加えて、15msと短時間で起動するため、運転情報、カメラ映像、ナビゲーションシステムやヘッドアップディスプレイなどに迅速にアクセスできる。この他、車載・産業向けアプリケーションのデュアルコアやクアッドコアのARM Cortex-15プロセッサへの電源供給に使用することもできる。

また、複雑なインフォテインメントシステムでは、電圧レベルシフタ「SN74AUP1T34-Q1」、「TXS0102-Q1」によって、異なる電源電圧で動作するプロセッサと既存のペリフェラルデバイス間の互換性のないCMOSロジック通信を接続することで、異なる電圧レベルの課題を解決する。

USBハブコントローラ「TUSB8041-Q1」と「TUSB8020B-Q1」や、USB-to-SATAブリッジ「TUSB9261-Q1」は、車載向けに最大4つのUSBポートでUSB 3.0接続を実現している。これにより、携帯電話などのマルチメディアアプリケーションや、携帯ゲーム機やナビゲーションシステムなどのアプリケーション向けの外付けHDDやSSDに必要な5Gbpsのデータフローを備えたUSB 3.0通信を可能にする。さらに、「TUSB8041-Q1」と「TUSB8020B-Q1」のダウンストリームポートは、USBバッテリ充電仕様1.2、CDP(チャージングダウンストリームポート)、ハンドシェーク機能、また、アップストリームポートが未接続の場合にはDC(デディケーテッドチャージングポート)モードをサポートする。この他、USB充電と、競合製品に比べて高いレシーバ感度を提供し、基板面積の削減とシステム設計の簡素化を実現する。

車載認証取得済みのQi 1.1規格準拠ワイヤレスパワートランスミッタ「bq500414Q」は、フリーポジショニング、異物検出機能やシステムレベルでのEMI特性強化を提供する。車載コンソールにA6コイルによるワイヤレス充電機能の搭載を実現し、運転者や同乗者に、簡単でストレスフリーの充電体験を提供する。

なお、パッケージは、「TPS659039-Q1」が169ピンNFBGA、「SN74AUP1T34-Q1」が5ピンSC70(DCK)、「TXS0102-Q1」が8ピンVSSOP、「TUSB8020B-Q1」が48ピンHTQFP、「TUSB8041-Q1」が64ピンHTQFP、「TUSB9261-Q1」が64ピンHTQFP、「bq500414Q」が7mm角の48ピンVQFN。価格は1000個受注時で、「TPS659039-Q1」が7.60ドル、「SN74AUP1T34-Q1」が0.28ドル、「TXS0102-Q1」が0.38ドル、「TUSB8020B-Q1」が3.75ドル、「TUSB8041-Q1」が4.87ドル、「TUSB9261-Q1」が5.56ドル、「bq500414Q」が3.92ドル。全て量産出荷中。

TIの車載インフォテインメントと車内充電環境を向上させるアナログ製品