NTTファシリティーズは8月6日、下関市有形文化財に指定されている「旧逓信省下関電信局電話課庁舎」(現田中絹代ぶんか館、大正13(1924年)竣工)の竣工90年、ぶんか館オープン5周年の記念事業として、建造文化財では全国初となる、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)の手法による3Dモデル化プロジェクトを開始したと発表した。同プロジェクトはオートデスク、トプコンの協力により、建造文化財を3Dモデル化し、これを利用することで建物の維持管理に活用することを目的とする。
BIMとは3Dモデルに必要な属性情報を付与し、設計、施工、維持管理などの建物ライフサイクル全般に活用する手法。今回のプロジェクトではすでに外観のスキャンは完了しており、トプコンの3Dレーザースキャナを用いて約4,500万個の点群で構成されるデータを取得。ソフトウェア上でこの点群データに材質、材料などの属性を付与しながらBIM化することで、高精細なCGを作成した。
なおNTTファシリティーズでは、同建築物は2014年中に内観を含めた3Dモデリングデータが完成する予定であり、2015年2月からインターネット上にて一般にも公開する計画だとしている。さらに、完成した3Dモデルを周辺地域の地形データと周辺の近代建築遺産の外観と組み合わせ、竣工した当時(大正時代)の街並みをバーチャルに再現した3Dモデルも同時期に公開する予定としている。