日本は「キャラクター大国」と言われることもあり、大人から子供まで、キャラクターのあしらわれたグッズを手にしていることが少なくありません。「ハローキティ」のサンリオや「リラックマ」のサンエックスのような企業が展開するキャラクターの存在感は強いですが、近年ではくまモンやふなっしーなど、地域にちなんだ「ゆるキャラ」も数多く誕生するなど、単に「キャラクター」とくくってしまえば、日本国内で見ずに過ごすことは難しいほどです。
そんな日本において、アーティスト・高木綾子氏が個人で展開し、秋葉原と御徒町の間にあるアート・デザイン系集合施設「2k540」に店舗までも構えているキャラクターが「ウアモウ」です。白くずんぐりとした、やわらかそうなルックスが印象的なキャラクターは、BEAMSや円谷プロなどの企業とのコラボレーションも行うなど、にわかにその存在感を増しています。この「ウアモウ」がどのように生まれ育ち、専門店を構えるまでに"育った"のか、作者である高木氏にお話を伺いました。
――最初に、高木さんが生み出したキャラクター「ウアモウ」について教えてください。
「ウアモウ」は宇宙人の男の子で、角のように見える部分がアンテナになっていて、テレパシーで会話するという設定です。なので、基本形のウアモウには口がありません。「ウアモウ」には「おばけちゃん(Boo)」というパートナーがいるのですが、この子は女の子です。
「ウアモウ」と「おばけちゃん」は、ロンドンの大学(London College of communication)に通っていたころに描いた自費出版のコミックス「Uamou From Another Plane」(-遠い星からやってきたウアモウ-)」から飛び出したキャラクターなんです。このコミックスは冊子がメインですが、iTunes Storeでアプリとしても販売していまして、そちらにはデジタルならではの仕掛けを入れています。
――では、「ウアモウ」は大学時代の創作活動によって生まれたキャラクターなのでしょうか?
いいえ、最初に「ウアモウ」を描いたのは14歳のころですね。幼いころからずっと絵を描き続けていて、ウアモウもそうして描いてきた中で生まれたキャラクターのひとりです。当時はまだ名前はつけていなかったのですが、かたちはこの頃生まれました。
――そうして生まれた「ウアモウ」というキャラクターが、今や「スタジオウアモウ」というひとつの店舗を構えるまでに成長していますが、そのなりたちについてお教えいただけますか?
「スタジオウアモウ」は、アトリエとショップを兼ねそなえた空間で、ソフビフィギュアやアクセサリーなどグッズの販売を行っています。お隣の飲食店「遊食家Boo」と行き来できるようにしているのですが、こちらは私の兄が経営していまして、文字通りの兄妹店として連携しています。
それ以前は、台東区の若手クリエイター支援施設「台東デザイナーズビレッジ」にオフィスを構え、Webショップでグッズ販売を行っていました。この施設は入居年数が3年に限定されていて、私の卒業のタイミングがちょうど「2k540」の開業と重なり、デザイナーズビレッジの卒業生に向けてテナント募集が出されていたので、それに応募して今に至ります。