Mentor Graphicsは7月17日、ヘテロジニアスマルチコアSoCに対応可能な包括的な組み込み統合開発ソリューションを発表した。

組込機器業界は、グローバル化により、国や地域に関係なく競争が激化しており、技術革新の速度も加速している。そうした中、開発においては、差別化要因の探索も続けられており、その1つとして複数のOSを1チップで処理するといった機能集約がトレンドとしてとらえられるようになってきた。そうしたトレンドに合わせるように、半導体ベンダ各社も従来の同一種類のコアを複数搭載する「ホモジニアスマルチコア」から、複数種類のコアを1チップ上に集積する「ヘテロジニアスマルチコア」のSoCを提供するようになってきており、高機能化に拍車をかけるようになっている。

同ソリューションは、ネイティブにハイパーバイザを通じて実行できる新機能が追加されており、同社のLinuxやRTOS、ベアメタルアプリケーション向けリモートプロセッサフレームワーク(remoteproc)をサポートしているほか、ヘテロジニアスSoCコア上のOSおよびアプリケーションのコンフィグレーション、開発、導入、管理を支援することが可能となっている。

また、システムに搭載された各種OS上でVirtIO、rpmsg、マルチコア通信API(MCAPI)をスケーラブルに実装し、デバイス内の個々のサブシステムに効率的なIPC(プロセッサ間通信)を提供するほか、システムに搭載された各種OSと機能に対する、システム全体を通して同期の取れた視覚的なデバッグと性能解析を提供するとしており、これらにより、複数プロセッサ上における複数OSとアプリケーションのコンフィギュレーションと実装といった課題や、複数のマイコンやプロセッサ上で複数OSを効率的かつ協調させて起動したり、マルチコアプロセッサ上でアイソレーションされたサブシステム間、およびヘテロジニアスプロセッサ間の通信、複数OS間の情報のやり取りの視覚化といったことを可能とするとしている。