STMicroelectronicsは6月30日、ミクスドシグナルマイコン「STM32F3」、エントリレベルマイコン「STM32F0」向けに、ソフトウェアプラットフォーム「STM32Cube」の効率性と開発ボード「STM32Nucleo」の利便性を提供するマイコン「STM32」用ソフトウェア開発ツールを発表した。

最新のソフトウェアパッケージ「STM32CubeF3」および「STM32CubeF0」は、「STM32F3」や「STM32F0」を使用した製品開発に対し、タッチセンスライブラリや、USBライブラリなどの無償ミドルウェアスタックの他、「STM32」ファミリ間でのアプリケーションソフトの移植を簡略化するハードウェア抽象化レイヤ(HAL)経由で「STM32」のペリフェラル向けドライバを提供する。このソフトウェアパッケージをPC用グラフィカルツールの最新版「STM32CubeMX」と組み合わせることで、グラフィカルウィザードを使用したマイコンの設定が可能になるとともに、クリックするだけで、多くのサードパーティ製統合開発環境で直接使用できる初期化C言語コードを生成することが可能となる。また、2014年前半に「STM32F4/F2/L0」シリーズ向けにリリースされた「STM32Cube」プラットフォームと同様に、数百のコード使用例が用意されており、プロジェクトを容易に始めることができる。

現在、「STM32F3/F0」を使用したアプリケーションの初期開発を支援する開発ボード「STM32Nucleo(NUCLEO-F302R8/F072RB)」も入手可能で、Arduinoアプリケーションシールドの大規模なエコシステムおよびSTの専用拡張ボードを利用できる。「STM32Nucleo」は、製品の全ての入出力端子にアクセスでき、ST-Linkデバッグ/プログラマを統合しているため、デバッグ用の専用プローブが不要である。また、「STM32Nucleo」はmbedに対応しており、mbed.orgにおいてオンライン開発環境への直接接続とその利用が可能となっている。なお、「STM32Nucleo」は現在出荷中で、価格は約10.32ドル。

STの「STM32」マイコン用ソフトウェア開発ツールのイメージ