STMicroelectronicsは6月13日、モバイルプラットフォームで利用可能な1.8Vの低電圧駆動を特徴とするマイコン「STM32F0x8/F3x8」シリーズを発表した。

同製品群は、ホストと同じ1.8V電源に接続できる一方、内蔵ペリフェラルを3.3Vなどといったより高い電圧で動作させることが可能で、低電圧電源に起因するパフォーマンス上のトレードオフを回避できるため、低電圧ホストプロセッサのコンパニオンチップとして最適である。また、1.8Vのデジタル電源ドメインと独立したアナログ電源ドメインを組み合わせ、アナログの広いダイナミックレンジが必要とされる場合や、直接USB機器に接続する場合に特に適している。「STM32F0x8」のI/Oは、外付けレベルシフタを使用せずに異なる電圧間をブリッジする。「STM32F3x8」のA/Dコンバータ(ADC)は、1.8Vまでの低電圧で完全に動作する。

さらに、これらの製品群は、複数の処理と多様なメモリ設定が可能。「STM32F0x8」は、ARM Cortex-M0コアをベースに、最大128KBの内蔵フラッシュメモリを搭載している。一方、「STM32F3x8」は、DSP命令セットと浮動小数点ユニットを備えるARM Cortex-M4コアをベースとし、最大512KBの内蔵フラッシュメモリを搭載している。

この他、ピン、ペリフェラル、ソフトウェアに互換性があり、主流の「STM32F0/F3」シリーズとともに、これまでにない設計柔軟性と拡張性を実現する。そして、「STM32F0/F3」シリーズの他製品と同等の機能が利用でき、低電圧動作時でも処理性能を妥協する必要がない他、ハードウェアへの実装がシンプルなため、コスト優位性を迅速に実現することができる。

なお、「STM32F0x8/F3x8」シリーズは、スマートフォン、携帯電話用アクセサリ、メディア機器といった携帯型コンスーマ機器に適しており、小型のCSP/UQFN/UFBGAパッケージや、TSSOP/LQFPパッケージで提供される。また、20~100ピンのパッケージが用意されている。価格は大量購入時で、内蔵フラッシュメモリが32KBで、20ピンTSSOPパッケージの「STM32F038F6P6」が0.66ドル、内蔵フラッシュメモリが64KBで、UQFN32パッケージの「STM32F318K8U6」が0.92ドル。

STは、モバイル向けに1.8Vの低電圧駆動が特徴のマイコン「STM32F0x8/F3x8」シリーズを発表した