JR東海は6月26日、集中豪雨時の対策として、従来よりも高精度の雨量レーダ(XバンドMPレーダ)を活用した独自のシステムを、東海道新幹線沿線の保線所に試験導入すると発表した。

現在、東海道新幹線では、沿線59ヵ所に設置した雨量計によって降雨量を実測し、基準値に達した際に運転規制を実施している。実測した数値は、新幹線総合指令所のほか、保守・警備を担当している沿線20ヵ所の保線所で確認でき、規制時は即座に警備体制を構築している。

東海道新幹線では、「過去1時間の降雨量の累計が50mm以上」または「連続降雨量が250mm以上かつ10分間雨量が2mm以上」の場合に時速70km徐行となる。また、「過去1時間の降雨量の累計が60mm以上」または「連続降雨量が300mm以上かつ10分間雨量が2mm以上」または「連続降雨量が150mm以上かつ時雨量が40mm以上」の場合に運転見合せとなる。

東海道新幹線の雨量計システム

また、国土交通省が整備を進めている雨量レーダ「XバンドMPレーダ」からの情報を東海道新幹線の路線図に重ね合わせたシステムが総合指令所に試験導入されている。

XバンドMPレーダは、従来のレーダに比べ、高頻度(5分周期→1分周期)、高分解能(1kmメッシュ→250mメッシュ)での観測が可能であるとともに、観測から配信に要する時間が5分~10分から1分~2分に短縮されている。

XバンドMPレーダを活用したシステムにおける降雨の推移のイメージ

今年7月より、このシステムを東海道新幹線沿線の保線所(20ヵ所)にも試験導入し、集中豪雨時の警備体制構築に活用する。