パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は6月23日、機器組み込み用途向けに大容量データを双方向で高速光伝送できる「光アクティブコネクタ」を発表した。

光データ伝送は、従来の電気データ伝送に比べ、大容量のデータを省配線で高速に伝送できる特徴があり、その用途は、通信インフラから装置間接続、さらには基板間やモジュール間を接続する機器内接続へと広がりつつある。同製品は、1つのプラグで20Mbps~6Gbpsの広帯域において双方向での光伝送に対応し、大容量の情報を高速にかつ低ノイズで伝送できる。これにより、計測装置の検査時間短縮や性能向上、医療機器の高精細化、FA画像装置の高速処理化、生産性向上に寄与する。

また、機器間接続などで使用される光ファイバケーブルを挿抜する光トランシーバ方式では、構造上、形状が大きく、光ファイバ先端の取り扱いが煩雑で、基板間やモジュール間を接続する機器内接続への採用は難しいという課題があった。同製品は、独自のシリコンベンチ構造の採用により、プラグ部に電気・光変換機能を内蔵する光アクティブコネクタ方式を小型サイズで実現し、小型基板やモジュールにも組み込みが可能な他、基板やモジュール側のソケット部との接続においても、通常の電気コネクタと同様、簡単に取り扱うことができる。

さらに、光データ伝送は、電気データ伝送に比べ、低ノイズの高速伝送と電気絶縁が可能である。特に、高電圧を扱う計測機器では、高電圧回路と信号処理回路の間に電気絶縁のためのデバイスが必要だったが、光伝送にすることで絶縁デバイスなしで容易に絶縁することができ、計測機器の高速サンプリング化やより精密な測定が可能になる。この他、人体に接触するような医療機器に最適であるのに加え、振動や電磁波ノイズを伴う過酷な環境下で、高速な信号処理が求められるFA機器などにおいても、有用なデータ伝送手段となり、FA画像装置の高精細化に貢献する。

なお、サンプル価格は、プラグの「AYG4V1A065M1」が1mケーブルタイプで8000円、レセプタクルの「AXK6S20447M1」が250円。7月1日より受注を開始する。

パナソニックの高速伝送用双方向「光アクティブコネクタ」