アドビ システムズは、2014年リリースの「Creative Cloud」に関する発表を行った。

今回の「Creative Cloud」は、CS6以降で最大のリリースとなる。同製品の主要アプリである「Photoshop CC」、「Illustrator CC」、「Dreamweaver CC」、「Premiere Pro CC」などを含む14のデスクトップアプリがアップデートされた。

主なアップデート内容は、「Photoshop CC」に、動きの感覚を生み出すモーション効果のぼかしギャラリー、奥行きが浅いポートレートを目立たせるフォーカスマスク、強化された"コンテンツに応じた塗り"など多くの新機能が追加されたほか、「Illustrator CC」には、数回のクリック操作で四角形を素早く複雑な形状に変換したり戻したりできる「ライブシェイプ」を搭載。「InDesign CC」は表組の取り扱いがより直感的になり、「Adobe Muse CC」は64ビットへの対応やHiDPIディスプレイのサポートが追加されている。加えて、写真家向けには、Photoshop CCやLightroom CCのほか、このたび発表されたものを含む複数のiPad向け写真アプリなどを月額980円で利用できる「Creative Cloud フォトグラフィプラン」を新たに発表した。

また、映像制作ツールでは「Premiere Pro CC」上で「After Effects CC」の機能を利用するための新たな統合に加え、グラフィックスパフォーマンスを強化。「After Effects CC」には正確なキーイング効果が追加され、「Adobe SpeedGrade CC」ではDirect Linkカラーパイプラインの柔軟性が向上、「Adobe Audition CC」はオーディオ作業用マルチトラックツールが強化されるなどの改善がなされている。

さらにWebツールでは、「Dreamweaver CC」のクイックビュー機能にドキュメント内のマークアップ表示機能を搭載し、ページのHTML構造を簡単に確認、操作、変更可能になった。「Flash Pro CC」にはFlashプロジェクト内の任意のフレームをSVGファイルに書き出せる“SVGエクスポート”機能が追加され、「Edge Animate CC」は、ネイティブHTMLビデオサポートによって、HTML5対応ビデオクリップを直接インポートすることが可能となっている。

一方、モバイルアプリとして新たに投入されたのは、「Adobe Sketch」、「Adobe Line」、「Adobe Photoshop Mix」という3つのiPad向けアプリと、「iPhone向け Lightroom mobile」、そして「iPadおよびiPhone向けCreative Cloud」の計5本。また、新しいクリエイティブハードウェアとして発表されたのは、「デジタルペン Adobe Ink」と「デジタル定規 Adobe Slide」でこの2製品は北米で出荷が始まっている(日本での販売は年内を予定)。これらの新しいデスクトップアプリとモバイルアプリ、ハードウェアはCreative Cloudサービスと統合され、クリエイティブプロファイルを構成するあらゆる要素にどこからでもアクセスして管理できる。あわせて、本日発表されたiPhone/iPad向けの新しいCreative Cloudアプリを使うことで、ファイルやアセットなどにiOSデバイスからアクセスして管理できるようになった。

このほか、大規模ソフトウェア導入専用のエンタープライズ向けCreative Cloudは、コラボレーションとファイルストレージのためのサービス、導入のための拡張オプション、ユーザーと資格を管理するための新ダッシュボードなどがアップデート。教育機関向けには、個人毎のAdobe IDでの提供ではなく、インストールするデバイス(PCやMac)に対してライセンスを提供するデバイスベースのライセンシングに対応。