AlteraとフィールドプログラマブルRF(高周波)トランシーバを扱う英Lime Microsystemsは6月16日(現地時間)、多様なブロードバンドワイヤレス市場向けのプログラマブルソリューションを共同で開発・販売促進することを目的に、戦略的協力契約を締結したと発表した。

同契約により、両社は全体コストの削減、消費電力の低減、製品の迅速な市場投入を目指し、主要なワイヤレスインフラストラクチャ、エンタープライズ、防衛、産業機器、テストおよび医療アプリケーション向けデザインのカスタマイズを可能にする、最適化されたFPRF(フィールドプログラマブル高周波)トランシーバ、デジタルRF、および基地局ソリューションを共同で開発していく。また、同契約の一環として、AlteraはLime Microsystemsへの株式投資を行ったという。

AlteraのFPGAは、主要なワイヤレス通信規格をサポートするLime Microsystemsの1チップRFトランシーバ技術との組み合わせにより、スモールセルの導入を簡素化し、低コストのモバイルネットワークの開発を可能にする。また、Lime Microsystemsによって開発された、完全にコンフィギュレーション可能なワイヤレスプラットフォームのプロトタイピング、および開発を行うためのオープンソースのハードウェアプロジェクトファミリである「Myriad-RF」により、AlteraとLimeの最適化されたリファレンスデザイン、ボード、ソフトウェアスタック、およびドライバに早期にアクセスし、次世代のワイヤレスシステムを容易に、迅速にかつコスト効率良く開発できるようになる。

さらに、Alteraからの投資を受けることで、両社は緊密に協力し、世界中でマーケティング、販売、技術サポートを行う。加えて、特定のアプリケーションや機能向けに、これまで以上にカスタマイズ可能なリファレンスデザインを開発する。これにより、AlteraのFPGAを採用する顧客基盤は、キャリアグレードのベースステーションやリモート無線ユニットというこれまでの枠を超えて、ワイヤレスアプリケーションにまで拡大されることになる。これらのアプリケーションには、エンタープライズ向けワイヤレスネットワーク、スモールセルキャリアグレードのインフラストラクチャ、軍用通信システム、ソフトウェア無線、および産業用、テスト、およびハイエンドコンシューマ向けM2Mアプリケーションが含まれるとしている。