"日本の食器"のデザイン、どう思う?

食事をとるのに欠かせない「食器」。伝統的な和食器と、主に欧米から取り入れられた洋食器を両方取り混ぜて使っている家庭も多いのではないでしょうか。百貨店や雑貨店のみならず、百円均一でも一通りの食器がそろってしまう昨今ですが、外国の人から見ると、日本国内で売られている食器はどのように見えるのでしょうか。

今回は、日本在住の外国人20名に「日本の食器のデザイン」について、思うところを聞いてみました。

■日本の食器はいい物がいっぱいあります。陶芸が得意ですから。(スウェーデン/40代後半/女性) ■益子焼はかっこいいです。(イギリス/40代後半/男性)

この質問では、日本の食器に対する肯定的な意見が多く集まりました。スウェーデンの女性がコメントしているように、日本には全国各地で独特な手法の焼き物が作られていて、伝統的工芸品として国からの振興を受けている物も多数あります。イギリスの男性が名前を挙げている栃木県の「益子焼」はその中のひとつ。厚手の素材に茶や黒などのうわぐすりで大胆な構成の絵付けが施されるのが特徴で、茶器や花器、酒器、皿など実用器が多く作られています。

■かわいい。(ベトナム/30代前半/女性) ■かわいいものが多くて、気に入っています(特に和風なもの)。(イタリア/30代後半/女性) ■大好きです。和風の食器を買いすぎて食器棚が満杯になっています。(ドイツ/30代後半/男性)

近年の日本文化を海外から見た際に多く言及される「かわいい」というフレーズがこの質問にも寄せられました。「和風」な物がかわいいという発言は、やはり日本独特の柄や絵付けのやり方が珍しく、かつ好ましく見えるからかもしれませんね。ドイツの男性はそんな「和風」の食器を愛好しているようで、食器棚が満杯になっているのだとか。ひとつひとつが小さく、種類も多い日本の食器は、コレクター欲をかきたてる一面もあるのかもしれませんね。

■小さい皿が多くて洗い物が大変。木でできているものが多くて自然を感じさせる事が好きです。(フランス/30代後半/男性) ■種類がありすぎ。結局たくさんそろえなければならない。(スリランカ/50代後半/男性) ■分厚い伝統的な食器はあまり気に入りませんが、他の外国人にとって印象的で面白いと聞きました。(ロシア/20代後半/女性)

こちらは日本の食器に対してのやや否定的な意見。日本料理は小鉢や小皿などの器に一品ずつ盛りつけることが多いため、確かに洗い物は多くなりがち。それに、ご飯を盛りつける飯椀とお味噌汁など汁物を入れる汁椀は、大きさは同じくらいですが、まったく別の用途の物として作られています。スリランカの男性はそういった背景を受けて「たくさんそろえなければならない」と指摘。さまざまな用途の食器があるのは文化的には興味深い反面、実際に使うとなると不便を感じる方もいるようです。

■品のある食器。(インドネシア/30代前半/女性) ■わび・さびのあるもの好き。(スペイン/30代後半/男性) ■かっこいい。(ペルー/40代後半/男性) ■きれいで買いたいものがおおいです。(ポーランド/20代後半/女性) ■日本の食文化に合わせられたものが多いと思います。(ブラジル/50代前半/女性)

その他のコメントも、主に日本の食器のルックスについて褒めるものでした。焼き物のうわぐすりの絶妙な色具合や絵付けの細かさなど、その繊細さがこうした評価を生んでいるのかもしれません。

いかがだったでしょうか。近年はカフェブームに後押しされて、ひとつの大きなお皿に複数の料理を盛りつけるワンプレート料理なども広く知られるようになるなど、時代と共に食器の使い方も変化しています。しかしながら、日本の食器、主に伝統的な和食器には、さまざまな国の人々から称賛される、日本らしいデザインのものです。これを機に、自宅の食器類を一度見つめなおしてみては?