Synopsysは、STMicroelectronicsの28nm FD-SOIテクノロジのSoC設計への活用を支援するため、STMicroelectronicsとの協業関係をSamsung Electronicsまで拡張したと発表した。
SynopsysのGalaxyデザインプラットフォームは、STの28nm FD-SOI技術ベースのデザインで多くの量産実績を持つ設計ソリューションである。STの28nm FD-SOI技術ベースのチップをSamsung/ST両社の製造拠点で生産可能にする戦略的提携をサポートするため、今回の協業を通じてGalaxyデザインフローをSamsungのプロセスにも拡張した。STとの複数年にわたる協業を通じて構築したGalaxyフローは、面積、消費電力、タイミングをコンカレントに最適化できるため、ST 28nm FD-SOI技術の能力を引き出したデザインを開発できる。
ST 28nm FD-SOI向けGalaxyフローは、Lynx Design Systemに完全に統合されている。Lynx Design Systemは、革新的な自動化機能と可視化機能を提供するフルチップ設計環境であり、これにより設計効率を向上させ、より短期間で設計を終了することができるようになる。また、ST 28nm FD-SOI Process Design Kit(PDK)、スタンダードセル、メモリを用いたテクノロジプラグインにより、28nm FD-SOI SoC向けの量産実績が豊富なGalaxyデザインプラットフォームベースRTL to GDS IIフローを活用でき、設計プロジェクトの着手とその実行にかかる時間を短縮できる。さらに、Lynxの自動化機能により、フロー全体を通じたバックバイアス管理、特殊接続のチェック、ウェル接続に対するインデザインフィジカル検証、Nウェル/PウェルのUPF電源セットマネージメントなど、インプリメンテーションとバリデーションにとって重要な多くのタスクを容易化・高速化できる。
この他、Lynxユーザーは、高性能・低消費電力なCPUやGPUを実現するため、Galaxyが提供する設計機能に直接アクセスできる。IC Compilerが提供するクロック/データ同時最適化、レイヤ考慮の最適化、フィジカルデータパス挿入、階層/低消費電力デザインテクニックの幅広いサポートなどであるという。
なお、STならびにSamsungの28nm FD-SOI技術向けGalaxyデザインプラットフォームとLynx Design Systemは、すでにSynopsysより提供が開始されている。28nm FD-SOI PDK、スタンダードセル、メモリは、Samsungより提供が開始されている。