EMCジャパンは6月4日、中堅中小企業向けストレージのエントリーモデルとして、仮想環境での利用に最適な「VNX」ファミリーの新しいストレージ製品「VNXe3200」および、同市場向けのバックアップ用ストレージ「Data Domain DD2200」の販売を開始した。

今回発表する2Uの「VNXe3200」は、「VNX」ファミリーの最下位に位置づけられる製品。マルチコアのCPUにおいて、それぞれのコアにかかる負荷を最適化して平準化する「EMC MCx」、アクセス頻度の高いSAS、ニアラインSASのデータをSSDにキャッシュする「FAS Cache」、アクセス頻度に応じて、SSD、SAS、ニアラインSASに階層化してデータを格納する「FAS VP」などの「EMC FAST」機能を搭載し、上位モデルと同様、自動階層化機能とフラッシュの能力を活用できるように設計されている。

「VNXe3200」

また、iSCSIやNFS/CIFSといったプロトコルのサポートに加え、今回、FC(ファイバーチャネル)をオプションとして新たにサポートする。

FC(ファイバーチャネル)をオプションとして新たにサポート

ストレージあたりのCPUは2(2コア)、メモリは48GB、最大ドライブ数は150台、1台あたりのI/Oポート数は10GBASE-T Ethernet×4。価格は126万5,000円(税別、最小構成:SAS 600GB)~。

「EMC MCx」をサポート

「EMC FAST」機能を搭載

一方、「Data Domain」ファミリーに追加された「Data Domain DD2200」は、論理容量で最大860TBまで保存可能なバックアップ用ストレージのエントリーモデル。「Data Domain Operating System 5.5」を搭載し、セキュアなマルチテナント機能でクラウド環境にも対応する。

「Data Domain DD2200」

「Data Domain Operating System 5.5」の新機能としては、バックアップソフトを用いることなくバックアップ/リカバリが可能な「Data Domain Boost for Enterprise Applications」の対応が、Oracle、SAPソリューション、SAP HANAプラットフォーム、IBM DB2、Microsoft SQL Serverにも拡張された点や、新しいセキュアなマルチテナント機能がある。 マルチテナント機能では、大規模エンタープライズ環境やサービスプロバイダ向が、プライベートまたはパブリッククラウドで「Data Protection as-a-Service」が展開できる「Data Domain」を提供。管理と論理データを分割し、ユーザー権限や管理権限を付与。テナントごとの管理やレポートをサポートする。さらに、アーカイブ機能の強化によって10億ファイルのサポート、VMwareのNFS Data Storeとしての使用をサポートしている。

「Data Domain Boost for Enterprise Applications」の対応が拡大

セキュアなマルチテナント機能

「Data Domain DD2200」は、2Uの筐体に最大17.2TB(論理では最大860TB)の容量をサポート。2スロットのIOモジュールに10Gイーサネット、1Gイーサネットまたは8Gb FCのIOモジュールを増設可能。価格は220万円(税別、最小構成:7×2TB SAS HDD)~。

「Data Domain DD2200」概要

EMC ジャパン マーケティング本部 フィールド マーケティング部長 渡辺浩二氏

EMC ジャパン マーケティング本部 フィールド マーケティング部長 渡辺浩二氏は「エントリー市場を牽引するのはサーバ仮想化/デスクトップの仮想環境であり、ここでの売上げ額が今後大きく成長するとした上で、「この市場においてはチャネルパートナーが重要だ」っと語った。

そのため同社は今回の製品を、チャネルパートナーを通じた間接販売のみを行うという。