シーメンスPLMソフトウェアは5月29日、都内で開催したプライベートイベント「Siemens PLM Connection Japan 2014」に合わせて記者会見を開き、同社のCAD/CAM/CAE統合スイート「NX」の現在の状況と、次世代バージョンへの対応具合なとの説明を行った。
同社のシニア・バイスプレジデントでエンジニアリング・ソフトウェア担当のJim Rusk氏は、「NXの現在提供されているメジャーリリースは2013年10月にリリースされたバージョン9であり、その後、コンテンツ強化を目的としたマイナーアップデートが繰り返され、現時点で最新のものはバージョン9.0.2となっている」とマイナーアップデートが順次行われているとする。
また、「2014年の後半をめどに次世代バージョンとなるNX 10のリリースを予定しており、すでにカスタマとのβテストが行われている」とのことで、300~350程度のプロジェクトに対し、具体的にどういった機能が高い評価を得られるのか、といった判断を進めている段階にあるとする。
NXシリーズはバージョン6の提供以降、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0と0.5刻みのアップデートを繰り返してきた。そこで次期バージョンが9.5ではなくいきなり10となることについて同氏に確認したところ、「7.5と8.5のアップデートは正直よろしくなかった。両者ともに実際にはメジャーアップデートに近いものだったにも関わらず、0.5刻みだったということで、市場に混乱を招くこともあった」とこれまでの経緯を振り返り、「バージョンの管理を一度整理して、メジャーとマイナーを分ける管理方針へと転換した」とした。
また、アップデート内容について、「それなりに大きな変化があると思ってもらいたい」とし、従来同様、すべての産業を包括する形で、コンテンツ機能の強化/拡充が進む方針を維持するとするが、今回、1つの軸足を置いて開発を進めている分野に「航空宇宙」があり、同分野を中心に、それ以外の分野にも配慮した形でバランスをとったものになると述べており、期待して待っていてもらいたいとコメントしてくれた。