マイナビニュースは、6月13日(金)にウイングアーク1st 21階セミナールーム(東京都渋谷区)にて、PDFの保管・運用をテーマとするセミナー「企業内に点在するPDFファイルの課題に立ち向かう~タブレット時代に求められる帳票運用の鍵~」(協賛: ウイングアーク1st株式会社)を開催する。このセミナーには、特別講演としてフロンティアワン代表取締役の鍋野敬一郎氏が登壇。タブレット時代に求められる帳票運用に関して、3つのポイントとその解決策について講演する予定だ。

紙の帳票がPDFになると何が変わるのか

株式会社フロンティアワン 代表取締役 鍋野敬一郎氏

IT専門調査会社のIDC Japanが発表した「国内モバイルデバイス市場 2018年までの予測」によると、2013年~2018年のタブレット端末の法人市場は年平均19.7%で成長することが見込まれている。同じくIDC Japanが実施した「国内EA/BAモバイルソリューション市場 ユーザーニーズ動向調査」では、スマートフォンやタブレット端末の利用用途として、現在はコンテンツ管理/文書管理やワークフローに代表される情報系システムが中心だが、今後は基幹業務システムとの連携にも利用範囲が拡大するとの予測が報告されている。

事実、製品カタログやプレゼンテーション資料、契約関連資料などを電子化し、コンテンツ管理や文書管理で一元管理することにより、営業担当者は紙の資料を持ち歩くことなく、タブレット端末で必要な資料を活用できる。また経営トップは、タブレット端末を利用して、いつでも、どこからでも、ワークフローで申請された書類の承認作業を行うことができる。

このように企業でタブレット端末の利用を促進するためには、日常業務に必要な帳票類を紙に出力されたものではなく、PDFなどの電子帳票として一元管理されていることが必要だ。さらに盗難や置き忘れなどでタブレット端末を紛失した場合に、機密情報が社外に漏えいすることを防ぐセキュリティ対策も重要である。

フロンティアワンの代表取締役 鍋野敬一郎氏は、「紙の帳票がPDFになることで何が変わるのかということがスタート地点です。しかしその前に、社内における紙の帳票の管理がどのような状況にあるのかを見直してみるべきです。どれがオリジナルでどれがコピーなのか、最新バージョンはどこにあるのかを把握できているでしょうか」と話す。

シンプルな2つのルールで帳票を一元管理

コンテンツ管理/文書管理は、スマートフォンやタブレット端末などデバイスを問わず、企業システム全般で常に注目度の高い分野である。しかし多くの企業では、帳票の作成者が机の引き出しの中で帳票を管理しており、会社としてコンテンツ管理/文書管理がほとんど行われていないのが実情ではないだろうか。

鍋野氏は、「帳票管理が行われていないと、帳票の作成者が退職した場合に引き継ぎが困難になります。また悪意のあるなしに関わらず、退職時に帳票を持ち出すことはセキュリティの面からも問題です。以前、私が在籍していた製造業の会社では、紙の帳票の管理は非常にシンプルで、全世界にある各支社で同じルールが適用されていました」と話す。

その製造業の会社で、紙の帳票を一元管理するために実施されていたファイリングルールは大きく次の2つ。

  • ルール1:オリジナルの帳票は机の引き出しに入れず、必ず決められた書棚に入れる。必要な帳票はコピーを個人で保有する。これにより、作成者が異動や退職をしても、オリジナルの帳票を失うことはない。
  • ルール2:大分類、中分類、小分類などファイリングのための分類と、何をどこの場所に置くかを明確にし、1年に1度、棚卸しを行い見直す。このとき古くなった帳票はアーカイブしたり、破棄したりする。

鍋野氏は、「紙の帳票がPDFなどの電子帳票に変わっても、PDFファイルがファイルサーバや個人のPCなどバラバラに管理されたのでは同じことです。しかし紙と同じファイリングルールを適用すれば、会社にとって必要な帳票の一元管理が可能になります。たったこれだけのことが、なかなか実行できていないのが現実なのです」という。

PDFとタブレット端末で情報活用を促進

紙にせよ、PDFなどの電子帳票にせよ、帳票の一元管理ができれば、次のステップとしてセキュリティ対策が容易になる。紙の帳票では、誰でもコピーしたり、スキャニングしたりして持ち出すことができる。もちろん台帳管理を行うことは可能だが、もし台帳に記入されなければ、機密情報が持ち出されても、いつ誰が持ち出したかはわからない。

これをPDFなどの電子帳票にすることで、いつ、誰が、どのファイルを、参照したり、コピーしたり、あるいは更新、削除したのかをログファイルに残すことができる。またアクセス権限やパスワード管理、暗号化などを行うことで、利用者ごとに参照、更新、削除といった権限を柔軟にコントロールすることも可能になる。

鍋野氏は、「PDFなどの電子帳票の一元管理も、紙の帳票と同様、ファイリングルールを適用するべきです。ルールを策定した上で必要なコンテンツ管理/文書管理の仕組みを導入することが重要です。電子帳票の一元管理を実現し、強固なセキュリティ対策を実施するためには、”ルール”と”ツール”の両方が必要なのです」と話す。

一元管理とセキュリティ対策が可能になれば、PDFファイルをはじめとする電子帳票の情報活用を促進することができる。例えば紙の帳票に記載されたデータを別のシステムで利用する場合は、データを手入力しなければならない。しかし電子帳票であれば、業務システムと連携させることで電子帳票の数値データを直接取り込むことができる。これにより、オペレーターによる入力ミスを防ぐことができ、作業負荷を軽減し、作業効率を向上することができる。また人件費などのコストも削減できる。

鍋野氏は、「PDFファイル活用の課題に立ち向かうには(1)PDFファイルの一元管理、(2)セキュリティ、(3)情報活用、これらの3つのポイントが重要になります」という。「PDFファイルにより帳票を電子化することで、一元管理が可能になり、必要なときに、必要な情報を容易に検索することができます。またアクセス制御やログ管理の徹底により、情報漏えいなどのリスクを軽減できます。さらにPDFファイル管理とタブレット端末活用により、あなたの会社の情報活用レベルもアップできるのです」

鍋野氏の指摘する”3つのポイント”に関する詳しい情報は、セミナーで紹介される予定だ。帳票管理に課題を感じられている方は、ぜひ会場に足を運んでいただきたい。