NHKと東京大学(東大)は5月22日、物体の形状と硬さの両方を非接触で測定し、物体を触った感覚(触感覚)を仮想的に再現できるシステムを開発したと発表した。

これまでNHKでは、物体の形状を再現する触・力覚ディスプレイ技術として、形状を再現するシステムを開発していたが、触感覚の伝達には、硬さの分布も併せて再現する必要があった。

そこで今回、東大が新たに開発した物体の形状と硬さの両方の分布を測定できる装置と、NHKが開発した触・力覚ディスプレイを組み合わせることで、形状だけでなく硬さの違いも分かりやすく再現できるシステムを実現することに成功したという。

具体的には、レーザー変位計と超音波を組み合わせることで離れたところから物体の形状と硬さの分布を非接触で推定し、そのデータを元に触・力覚ディスプレイで仮想的な物体のモデルを生成、そのモデルと指先との接触状況に応じて、複数の点の刺激として与えることで、物体を触った感覚を再現することが可能となる。また、反射型空間映像投影板により、空間に映像を投影することで、触・力覚ディスプレイによる物体の感覚と組み合わせることで、物体に触った感覚を向上させることができるようになるとNHKでは説明している。

なお研究チームでは、同技術の開発をさらに進めて行くことで、将来的には、食べ物や生き物などの視覚だけでは伝えられない触感覚を伝達できる情報サービスの実現が期待できるようになると説明している。

物体の硬さの触感覚伝達システムのイメージ