NHKは5月20日、8Kスーパーハイビジョンのような情報量が多い映像を効率よく伝送する技術として、映像の精細さ(空間解像度)やフレーム周波数(時間解像度)について、高解像度の映像素材を一度、低解像度の映像に変換してから伝送し、受信側で高画質に復元する「リアルタイム時空間解像度変換装置」を開発したと発表した。

従来の映像符号化伝送は、送信側の高い解像度の映像に対して伝送路の伝送容量が小さい場合、低ビットレートで映像を圧縮符号化していたため、ブロック状ひずみなどの映像劣化が発生していた。今回開発された装置は、最高4K 120P映像を含むさまざまな映像を2K 60P映像に変換することで、映像劣化の少ない状態で圧縮符号化・伝送し、受信側で高画質に復元することが可能。

受信側の復元技術としては、「超解像技術」に、前後フレームの画像から中間フレームの画像を合成する「フレーム内挿技術」を組み合わせた時空間ハイブリッド復元技術を活用。また、超解像とフレーム内挿の処理に必要となる情報を補助情報として同時に伝送することで、より高画質に、時空間ハイブリッド復元することが可能になるという。

なお、同装置は5月29日より開催される「技研公開2014」に出展される予定だという。

NHKが開発した「リアルタイム時空間解像度変換装置」

時空間解像度変換装置を用いた映像伝送システム