独Infineon Technologiesは、IGBTハイパワーモジュール(IHM)を従来よりも長期間の使用できる長寿命化技術を開発したと発表した。

これは、従来よりもより堅牢な構造として、ボンドワイヤを改良することで、スイッチング関連のパワーサイクリングに対するモジュール部品の抵抗性を向上させることで、前モデル比でパワーサイクル動作を2倍向上させることに成功。また、熱伝導性の向上として、アルミニウムケイ素炭化物(AlSiC)ベースプレートと窒化アルミニウム(AlN)の回路基板を組み合わせ、使用するトポロジによって異なるものの、熱抵抗性を16~18%低減することに成功したとのことで、これによりモジュール動作時の放熱性が向上し、チップやボンドワイヤなど、熱の影響を受けやすい部品の負担を軽減することが可能になるという。

これらの技術を組み合わせた結果、同一の使用条件下による前モデルとの比較では、平均製品寿命が10倍以上になったとするほか、必要となる変更内容を加味しても、モジュールの電気的、機械的な特性は変わらないことを確認したとのことで、これにより認定の必要な範囲も、最小限に抑えることが可能になるとする。

なお、新型のIHM「IHM-B Enhanced」は、シングルスイッチ、チョッパー、逆ダイオード付きチョッパー、デュアルダイオードのトポロジで提供され、ポートフォリオとしては、1700V電圧クラスのモジュールが、800A~3600Aの範囲にアップグレードされることになるという。量産開始は2014年8月を予定しているという。

「IHM-B Enhanced」の外観