Analog Devices(ADI)は5月16日、ノイズ密度-154dBFS/Hzを実現した14ビット1GSps A/Dコンバータ(ADC)「AD9680」を発表した。

同製品は、過密状態のRF環境においても、広範な帯域幅にわたり高い信号抽出を実現することを目指して開発されたもので、DCから2GHzまでの入力信号をデジタル化することが可能。また、プログラミング可能なバッファ入力や、マルチバンドレシーバに対応できる4つのワイドバンド・デシメーション・フィルタとNCOブロックを搭載しているほか、プログラミング可能な高速オーバーレンジ検出と信号モニタリング機能も搭載している。

1GHzの入力信号を変換する場合、80dBcのスプリアスフリー・ダイナミックレンジ(SFDR)と61.4dBFSのSNRを実現しており、かつチャネルあたりの消費電力は1.65W(2chで3.3W)に抑えることが可能だという。

なお、同社では、通信用途を中心に計測機器や軍事/航空宇宙分野に向けて提供を行っていくとしており、日本では特に通信分野を中心に、高い性能を求める分野の開拓なども進めていくとする。すでにサンプル出荷を開始しており、2014年5月中に量産出荷を開始する予定。1000個受注時の単価は584.38ドル(米国での販売価格)としている。

「AD9680」の概要