オリンパスメディカルシステムズは4月10日、肺末梢部における肺がんなどの観察・診断性能を向上させた気管支ビデオスコープ「BF-P190/290」、「BF-XP190/290」4機種を発表した。

近年、CTの性能向上および検査数の増加により、気管支の末梢部分に発生する小型病変が見つかる機会が増加している。病変が悪性であることが疑われる場合には、気管支鏡検査やCTガイド下経皮肺生検による組織生検が実施され、確定診断が行われる。気管支鏡検査において、肺末梢部へアプローチする際は通常3~4mm程度の極細の気管支鏡が使用されるが、より高画質で観察できる内視鏡が求められていた。

同製品は、内視鏡先端部に新しく開発した超小型CCDを搭載したことで、従来品よりも一段と画質が向上。また、「BF-P290/P190」は先端部外径4.2mm、「BF-XP290/190」は3.1mmの細さで肺末梢部へアプローチし、肺がんなどの病変に対する観察・診断性能の向上が期待できる。また、先端部外径3.1mmの「BF-XP290/190」は、小児患者への使用も想定されるという。

さらに、内視鏡の挿入部を左右に最大120度まで回転できる機能を搭載した。従来は、術者自身が内視鏡を握る手の手首や体をひねったりすることで、肺末梢部へのアプローチを試みていたが、より自然な体勢でのスムーズな挿入が期待でき、また術者の意図する部位の組織採取が簡便になるなど処置性の向上も期待できるとしている。

そして、従来の気管支鏡では湾曲角度が180度だったが、同製品では210度に広げた。細い先端部の形状と回転機能との組み合わせにより、肺上葉(肺の上部)気管支への挿入性の向上が期待できるという。

なお、4月から日本と欧州で発売し、順次その他地域でも発売していく予定。

気管支ビデオスコープ 「BF-P290」

内視鏡を気管支へ挿入している様子。上葉(肺の上部)へのアプローチ