トヨタ自動車は4月10日、ハイブリッド車向けエンジンの開発で培ってきた燃焼改良と損失低減技術を活用することで、世界トップレベルの高熱効率を実現した低燃費エンジン群を新たに開発したことを発表した。

同エンジン群は、従来型比で10%以上の燃費向上を実現できるとのことで、具体的には、1.3lのガソリンエンジンでは、ハイブリッド専用エンジンに採用してきたアトキンソンサイクルの採用ならびに高圧縮比化(13.5)することで膨張比を上げ排熱を抑制。また、シリンダー内に強いタンブル流(縦回転の混合気の流れ)を生成する新形状の吸気ポートを採用することで燃焼効率を高めたほか、クールドEGR(排出ガス再循環システム)や電動連続可変バルブタイミング機構(VVT-iE)などを採用することで、量産ガソリンエンジンとしては世界トップレベルの最大熱効率38%を達成したとする。アイドリングストップ機能などと組み合わせると、従来型比で約15%の燃費向上を実現できるという。

さらに、ダイハツ工業と共同開発した1.0lガソリンエンジンでは、タンブル流を生成する新形状の吸気ポート、クールドEGR、高圧縮比化などにより最大熱効率37%を達成。アイドリングストップ機能などの低燃費技術と組み合わせると、従来型比で最大約30%の燃費向上を実現できるとする。

なお同社では、これらのエンジン群をマイナーチェンジを近々に控えている車種から搭載を開始し、2015年までに全世界で合計14機種のエンジンを順次導入する計画としている。

左が1.3lガソリンエンジン、右が1.0lガソリンエンジン