ナビコムアビエーションは4月7日、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が研究開発を進めている「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)」に対応した搭載性向上型ヘリコプター動態管理システムを製品化したと発表した。

D-NETは、音声による無線通信やホワイトボードを用いて行われている災害救援航空機と地上の運航拠点、災害対策本部などにおける情報の伝達、共有をデータ通信化することで、より効率的かつ安全に救援活動を行うためのシステム。

宇宙航空研究開発機構が開発している「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET」)のシステム概要

JAXAは、災害救援航空機や地上との間で共有すべき情報を「D-NETデータ仕様」として標準化し、災害対応機関や動態管理システム製作企業への提案活動を行っている。

同社が製品化した「D-NET対応搭載性向上型ヘリコプター動態管理システム」は、同社の簡易型ヘリコプター動態管理システム「Latitude Web Sentinel」を改良したもので、ヘリコプターから「移動中」「任務開始」などの機体の活動状況をデータ化して送信し、地上の端末に表示することが可能になった。ヘリコプターに搭載する機器の総重量は、従来のDNETシステムの25%に軽量化された。

「D-NET対応搭載性向上型ヘリコプター動態管理システム」のシステム構成

同システムの普及により、航空無線による音声通信が難しい状況での情報伝達、大規模災害発生時に集結する多数のヘリコプターの状況把握など、これまで困難だった課題が解決される効果が期待される。