NVIDIAは3月25日(米国時間)、GTC 2014にて組み込みシステム向けモバイル用スーパーコンピュータチップをベースにしたコンピュータビジョンと画像処理、リアルタイム・データ処理を伴う次世代アプリケーションの開発を支援する開発プラットフォーム「NVIDIA Jetson TK1」を発表した。

同キットは、「NVIDIA Keplerアーキテクチャ」を採用した192コア採用のモバイルプロセッサ「Tegra K1」を活用することで、通常の組み込みプラットフォームの3倍近い326GFLOPSの演算性能を提供しており、ロボットがシームレスに動きまわったり、医師がリモートで超音波診断をおこなったり、無人機械のドローンが移動する物体をよけたり、自動車が歩行者を検出したりできるシステムやアプリケーションが開発できるようになるという。

また、デバッガやプロファイラといったCUDA 6.0開発者ツール・スイートをフルサポートしており、超並列処理アプリケーションを開発することが可能だ。また、FFTや線形代数、疎行列、さらには画像や動画の処理までを高速化できるNVIDIAライブラリをARMプラットフォームで使うことができるという。

さらに、Tegra K1には、CUDAとVisionWorksツールキットに加えてOpenGL 4.4なども使えるボード・サポートのパッケージとソフトウェア・スタックが用意されているほか、開発ツールとプロファイリング・ツールのスイートも用意されており、箱から出しただけの状態でカメラをはじめとする周辺機器が利用することができる。加えて、Avionic Design、GE Intelligent Platforms、ICD、SECO、東芝デジタルメディアエンジニアリングなど、NVIDIAのパートナー・サポート・ネットワークも用意されているという。

なお、同開発キットは、すでに米国向けの予約を受け付けを開始しており、価格は192ドルだという。予約はNVIDIA、Microcenter、Neweggで行えるほか、欧州では、Avionic Design、SECO、Zotacで予約が行えるとのことで、日本では、菱洋エレクトロを通じて販売する予定だという。

「Tegra K1」を搭載した開発プラットフォーム「NVIDIA Jetson TK1」