古河電気工業(古河電工)グループのKANZACCは3月7日、耐熱性が良好でさらに耐クラック性も良好な半導体装置や電子部品のリードフレーム向け複合めっきを開発したことを発表した。
半導体装置や電子部品は、リードフレーム上にそれぞれの部品をエポキシ樹脂などで外装して作られるが、特に面実装型のものはリードフレーム先端をL型などに曲げ、配線基板にはんだ付けをしやすくしているほか、リードフレーム素材は鉄合金や銅合金であり、そのままでははんだ付けができないため、すずめっきやすず合金めっきを施す必要があるが、リードフレーム上にまず下地めっきを施した後、すず(合金)めっきを施すことが一般的であった。
しかし、半導体装置や電子部品の外装エポキシ樹脂の完全硬化のための熱処理により、下地とすず(合金)皮膜が拡散し、すず(合金)皮膜が減少するという問題や、リードフレームをL型に曲げる時に下地からクラックが発生 し、半導体装置や電子部品を配線基板にはんだ付けする際の接続不良の原因となっていた。
今回開発された複合めっきは、すず(合金)めっきと最適な下地めっきが組み合わさったもので、熱処理によるすず(合金)皮膜と下地との拡散反応がないため、すず(合金)めっき皮膜の減少がなく、良好なはんだ付け性を維持することが可能なほか、すず(合金)めっき後のリードフレームのL型曲げ部分にクラックの発生がなく、良好なはんだ付け性を維持することを可能とするめっき皮膜だという。
なお同社では、2014年下期をめどに同複合めっきを実用化し、2015年度に2億円の売り上げを目指すとしている。