大日本印刷(DNP)は3月3日、機器にNFC通信機能を搭載するための組み込み用電子部品「NFC PLUG」を発表した。3月下旬より発売する。

NFC対応スマートフォンの普及に伴い、ヘルスケア機器やデジタルカメラなどにかざすだけで、データのやり取りできる製品が増えてきた。今後も、家電にスマートフォンをかざして好みの設定に自動で切り替えることや、ヘルスケア製品に蓄積したデータをスマートフォンで管理して医療に活用するなどの新たな応用が期待されている。

その中で、同社では、2013年より40mm×30mmサイズの「NFC PLUG」を販売し、デジタルサイネージからスマートフォンへの情報配信や、産業機器とタブレット端末を連携させた機器メンテナンスで活用されているという。今回、既存の機器のサイズを変更せずにNFC通信機能を簡単に搭載したいというニーズに対応し、小型の「NFC PLUG」を開発した。

「NFC PLUG」は、NFC通信機能がない機器に同機能を容易に組み込むため、機器との接続用端子と無線通信用アンテナを備えた製品である。スマートフォンを機器にかざしてデータ転送する機能に絞り、自らは電波を出さないパッシブ方式を採用したことで、部品の小型化と低価格化を実現した。また、無線通信時にスマートフォンが発する磁界から電力を得るため、組み込み機器の電源が切れても通信できる。機器接続用インタフェースとしてI2Cに対応し、サイズは25mm×11mmと小型のため、機器内部の限られたスペースへの組み込みが可能となっている。

DNPでは、ヘルスケア機器をはじめとする生活家電、レジャー機器やアミューズメント機器、産業機器など、多様な電子機器への導入を目指す。また、リーダーライター機能を追加できるNFCモジュールなど、ラインアップも拡充していく方針としている。

DNPのNFC通信機能組み込み用電子部品「NFC PLUG」