NTTデータエンジニアリングシステムズは18日、世界で初めて3Dプリンターを用いて量産化されるというチタン合金製筐体のバランスドアーマチュア型イヤホン「final audio design LAB 01」の開発について、製造販売元であるファイナルオーディオデザイン事務所(以下、ファイナル)に技術協力を行ったと発表した。同製品の発売日は2月下旬予定で、メーカー直販価格は16万円。

「final audio design LAB 01」

本製品は、量産品としては世界初となる3Dプリンターによって造形された64チタン製筐体のバランスドアーマチュア型イヤホン。従来工法では不可能であった完全一体型形状となっているのが特徴で、ファイナル初のフルレンジ・デュアル・バランスドアーマチュア型ドライバーユニットにより、明瞭かつ力強い低音が実現可能という。

今回の技術協力にあたって、同社は17年前から3Dプリンターの技術開発やノウハウ構築に取り組んできた実績を活かし、ファイナルのプロジェクトに参画。サポート構造体(3Dプリンターで造形する上で必要となる仮の土台)の最適化をはじめ、精度を向上させる"造形法"の提案、さらに表面処理の品質を向上させるレーザー照射パラメーターを開発・提供したという。特に表面処理の品質については、より高い鏡面性を実現するため、プロポックス社との協力で金属積層造形物に最適化した鏡面化ポストプロセスも構築。これにより、世界初となるチタン合金製筐体の量産化と、3Dプリンターでしか作成できない複雑な形状が実現することになった。

同社は今後、3Dプリンターにおける設計の自由度を活かして、イヤホンの最大価値である音質の向上に繋がるアプリケーション開発に繋げていきたいとしている。