キヤノンは2月14日、Molecular Imprints(MII)の連結子会社化について、2月5日をもって合意したと発表した。
キヤノンは、KrFエキシマレーザおよびi線を光源とする半導体露光装置、合計7機種を生産・販売しているが、先端微細領域の露光装置市場には参入できていなかった。一方、次世代半導体露光装置の開発に向けて、解像力20nm以下の微細加工を実現するナノインプリント技術の研究を2004年より進めてきていた。特に、2009年以降、同技術を用いた次世代半導体露光装置の量産を目指し、MIIおよび大手半導体メーカーと共同で開発に取り組んできた。
同技術を用いた半導体露光装置は、高解像度、優れた重ね合わせ精度、低コストの3つの利点が挙げられる。主にメモリの生産に適しているが、将来的にはロジックICの生産に対しても応用の可能性があり、解像力20nm以下を実現する次世代の半導体露光装置として期待されている。
今回、同技術を使った半導体露光装置の本格的な量産に一定の見通しがついたことから、同技術に関する特許登録件数と技術力で世界トップレベルにあるMIIを完全子会社化にしたという。これにより、次世代半導体露光装置の開発を加速させ、早期の市場導入を目指すとしている。