Infineon Technologiesは、スマートフォンのデータレートを改善することを目的に、新たにLTE用Single-band Low Noise Amplifiers(LNA)製品「BGA7x1N6」とQuad-band LNAバンク製品「BGM7xxxx4L12」を開発したことを発表した。

LTEの本格普及により無線通信の転送レートは最大で約300MbpsとなりRFフロントエンドの複雑化が、スイッチやダイプレクサ、分配器などの多くのRFコンポーネントを使用することを要求するようになっている。その結果、システム全体の損失が拡大し、信号体雑音比(SNR)も低下するほか、アンテナとRFトランシーバとの距離が離れることで挿入損失が増加し、SNR劣化とそれに伴うデータレートの低下を引き起こすことが課題となっている。

2ファミリともに同社のSiGe技術をベースにESD保護回路を加えて開発されたもので、これにより低雑音性能、正確なゲイン、および高い線形性を実現したという。また、システムの感度を高めること、ならびに高いユーザーエクスペリエンスを実現するために、スマートフォンのダイバーシティとメインの両方のアンテナパスに使用することができるため、LNAを持たないソリューションと比較してデータレートを最大96%高めることができるようになるという。

なお、すでに3種類のSingle-band LNAと7種類のQuad-band LNAバンクの提供を開始しており、パッケージサイズは従来のLNA比較でSingle-band LNAで70%の削減(1.1mm×0.7mm)、Quad-band LNAバンクで同61%の削減(1.9mm×1.1mm)を達成しているという。また受信感度は、LNAを使用しない従来ソリューション比で3.4dBの改善が見込めるようになるとしている。