東京エレクトロン デバイス(TED)は1月23日、産業機器向けに試作から量産まで使用可能な、All Programmable SoC「Zynq-7000」搭載の組み込みモジュール「TB-7Z-IAE」を発表した。
同製品は、50mm×75mmとコンパクトで、標準的な名刺サイズより小さな面積に「Zynq-7000」と2チャネルのギガビットEthernetを搭載する高性能、高機能な組み込みモジュールとなっている。機器に組み込むことにより幅広いネットワークアプリケーションに対応する。
近年、製造設備や検査装置などの産業機器を新しいインダストリアルネットワークに対応させることが求められている。インダストリアルネットワークはすでに10種類を超えるプロトコルが存在するため、複数のインダストリアルネットワークへ柔軟に対応できるソリューションが必要とされている。さらに、ネットワーク化によるデータスループットの向上に伴い、個々の機器に要求される機能も高度になり、従来よりも高いシステム性能が求められている。
同製品に搭載した2チャネルのギガビットEthernetは、「Zynq-7000」のプログラマブルロジックIOに接続されており、通常のギガビットEthernetだけでなく、複数のインダストリアルネットワークプロトコルにボードデザインを変えることなく対応することが可能。「Zynq-7000」は、667MHzのDual ARM Cortex-A9 MPcoreプロセッサと、高速動作可能なDSPスライスをはじめとするプログラマブルロジックが統合されており、32ビットバス1066Mbps動作のDDR3 SDRAMとの接続により、マシンビジョンのような広帯域かつインテリジェントな処理が必要なアプリケーションにおいて、従来のSoCでは実現困難な高いパフォーマンスを発揮できる。
同社は今後、同製品をベースとした評価キットの販売を予定しており、インダストリアルネットワーク規格に対応するIPコアソリューションを順次ラインアップしていく計画。また、デザインサービス(設計受託)と組み合わせたターンキーソリューション、および量産に対応するマニュファクチャリングサービス(製造受託)の提案により、量産規模に応じて数十台から数千台程度の多品種少量生産に対し、さらなるコストメリットを提供するとしている。
なお、4月1日よりオーダー受付および評価サンプルの提供、6月末より量産出荷を開始する予定としている。