STMicroelectronicsは1月22日、次世代モバイル機器や小型ウェアラブル機器向けに、9軸動作および位置検知が可能なMEMSセンサモジュール「LSM9DS1」を発表した。

同製品は、ジェスチャ制御、屋内ナビゲーション、拡張現実などの機能に必要なコンテキストアウェアネスをサポート。最新の低ノイズセンサ技術に基づく小型サイズとバッテリ効率が、体積の低減とバッテリ駆動時間の延長に寄与するため、ウェアラブル機器の使いやすさと快適性を高めることができる。また、位置分解能の改善により、テレビ用スマートリモコン、ゲーム機用コントローラ、ウェアラブルスポーツ機器、医療用センサなどの用途で安定性と精度の向上が図れる。

具体的には、最新のMEMS技術で製造された3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ、および3軸地磁気センサで構成されている。これらのセンサは、リニア加速度、角速度、および磁場を検出し、完全な位置データとモーションデータを提供する。さらに、統合・同期されたデータを出力するので、自由度の高い9軸センシングが実現する。また、各センサは個別に電源をオフにできるため、よりスマートなパワーマネージメントが可能になる。

加えて、同社の6軸MEMSセンサモジュール「LSM6」ファミリと互換性があることから、電子コンパスや方向センシングといった磁場検出機能を追加するための既存設計のアップグレードや拡張が簡略化される。「LSM9DS1」をベースとすることで、「LSM6」ファミリと単体の地磁気センサを組み合わせた現行設計をアップグレードすることができる。この他、3.5mm×3mmサイズと、従来の9軸MEMSセンサモジュールの4mm角に比べ約35%小型化しており、5mm2以上のボード実装面積を節約できる。

なお、パッケージは鉛フリーのLGA。価格は1000個購入時で約2.70ドル。現在サンプル出荷中。

STのMEMSセンサモジュール「LSM9DS1」の活用イメージ