計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは1月7日、RFICシミュレーション・検証・解析ソフトウェア「GoldenGate」の最新版を発表し、販売・出荷を開始した。

最新バージョンの「GoldenGate 2013.10」は、EVM測定、BER測定、ACPR測定などを簡単に行い、大信号解析における問題箇所を迅速に解析、診断することが可能。さらに、シミュレーションに要する時間を削減し、設計効率を改善させる様々な新機能も搭載している。

LTE Advanced(4G)やIEEE802.11acなどの先端無線規格では、線形性、帯域幅、ノイズ性能に対する要求が高くなっているため、受信器IC設計にも変化が押し寄せている。「GoldenGate 2013.10」では新たな検証試験機能を提供しており、送信器のEVMやACLRや受信器の感度/感度劣化など、規格準拠の波形や測定を使った設計検証や最適化を容易に行うことができる。また、クラス最高のRF回路シミュレーション性能と堅牢性を有するのに加え、設計サイクルの初期段階においてRF回路の調査、解析、最適化を行う各種技術も提供する。最新バージョンでは、RF回路解析時や大信号解析時でも利用できる新たな感度解析機能を追加している。

この他、「GoldenGate」から抽出し「SystemVue」で利用できる高速回路エンベロープ(FCE)モデルにノイズ情報を含むことが可能となり、受信機の性能検証を大幅に高速化できるようになった。これにより、シミュレーションパフォーマンスに影響を与えることなく、システムレベルシミュレーションにおけるRFICによる劣化を表現することが可能となった。また、エンベロープトランジェント解析やSパラメータ解析において、Fast Yield Contributor(超高速歩留り・バラつき解析)に対応した。これにより、モンテカルロシミュレーションを劇的に高速化した他、回路性能の変動に大きな影響を及ぼすデバイスやブロックの発見に役立つ歩留り影響度を表示できるようになった。さらに、コアソルバーを改善した。新しい発振器解析アルゴリズムでは、高いQを持つ発振器の解析や高度な時間軸解析の精度・速度コントロールを実現している。加えて、イニシャルトランジェント解析では新しい定常状態の自動検出機能や、高調波数自動検出機能を搭載し、シミュレーション時間の短縮と設計効率の改善に寄与するとしている。

RFICシミュレーション・検証・解析ソフトウェア「GoldenGate」の最新版の画面